short stories

□pinky
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pinky*2







「コレって・・・やっぱりさ・・・
不倫・・・だよね?」





潔癖症で正義感が強いほうだと思っていた自分が
いつの間にか迷い込んでしまったこの状況がどうしても受け入れ難く、
救いを求めるように、そう直接聞いてしまったことがある。





「カンペキに。
しかもダブルや。
そもそも生物の倫理に反してるんやから。」




三本指のピースサインとともにそうあっけらからんと返され・・・
目の前が真っ暗になったっけ。






軽い・・・
軽すぎる・・・



みんな見た目に騙されている。

このひとはもともと
あんまり物ごとを深く考えないで、自分の欲望には素直に従う
ただの気のいいにーちゃんだったりして・・・







イヤイヤイヤイヤ・・・

この場合、ひとのせいにするのは間違っているだろう。



一番悪いのはこのボクだ。


こんな状況に陥ってしまうことを拒否する機会は
いままでに山のようにあった。




あのときとか
あのときとか
あのときとか・・・






今だってそうだ。




―今日は無理。




そう返信すればいいだけだ。



あのひとがこっちのスケジュールを把握しているとは到底思えないし、
ボクがダメなら、大人しく家族の元に帰るか、
それともダブルでない相手を呼び出すかするだけだろう。




あれ・・・?
もしかして、逆のパターンだったり・・・
今日他にだれも付き合ってくれるひとがいなかったから、
しょうがなしにボクに行き着いただけだったりして・・・




はあ・・・







―もう会いません。サヨナラ。







それが一番なんだよね。

わかってる。







けど・・・


怖いよ。




なにが?


うーん・・・







考えながら、もう軽く信号3つ分は車を走らせてしまっていた。






そんなボクの優柔不断は
裏目に出ることが多い。





迷いながらもとりあえず「今日はだめ」ということで返信しようかと
路肩に車を止め、携帯をあけたとたん
また着信があった。



今度は電話。







うっ・・・

キチャッタ・・・









to be continued

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