消失点
□いつものことだけど
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…_
ふと、夢にあの頃の桃が出てきたせいかな。
いつだかのメンバーが、ももが隣にいるのが、
当たり前だったあの日々のことが蘇っていた。
一人で思い出すには重くて、思わず友達に連絡していた。
もも。いつもなんか目につく人。
高い声をずっと聞いてると腹が立ってくるし
ダンスレッスンでも鏡越しに見てしまうのも
歌のパートだって狙ってたところを取っていくのも全部もも。
みやにないものを持っているのが、もも。
buonoに選ばれてからはだいぶその嫉妬心?っていうのかな。よくなったけど今でも時々羨ましくてイライラする。
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コンサートを控えたbuonoは今日もスタジオにこもって一日中リハを重ねていた。
「はぁ〜つかれた〜でも大分固まってきたんじゃない?」
休憩時間にみやと愛理が座ってた側にももがドサリと雑に座ってきた。
「だね。愛理も不安って言ってた場所、そろそろ平気そうだったじゃん」
「う〜ん、まっなんとかなりそ!」
テキトーだなぁなんて笑いつつ、buonoの時間ではこの愛理の笑顔に癒されている。
「みや、最後らへん疲れて息上がってたでしょ、ももみてたよ。歳きてるねぇ〜?」
なんてニヤニヤ笑いながら小指で指してくる
いつものながれ。ももが雑にみやのこといじってきて、それに言い返してやる。定番。
だけど今日は疲れててそんな気力ないの。わかんないかなぁ、こいつ…
「でもみや休みなしで歌い続けてるのにやっぱすごいよぉ〜そんけい!」
「愛理、さすが!わかってるねー」
愛理がみやの味方についたことでももが不貞腐れた顔してる。
ほらみたことか
「…ぷっ。ほんっと顔にすーぐだすよね」
ツンと小さいももの鼻の先を押した
一瞬目を伏せて笑うもも
まつ毛意外と長いんだよね、うらやましい
「あたっ まあその声量はすごいっていうの?ももにはよくわかんないけどさぁ、息上がってたのは事実じゃーん」
からかいに失敗したももを笑って代わりにからかう私たちの様子をじっとみてる愛理の視線に気づいた
「なに?あいりーん ももたちがラブラブすぎて悲しくなっちゃった?」
またふざけて高い声で聞くももに愛理は本当に不思議そうな声で
「二人って今更だけどなんでそんな距離感近いの?」
ももの顔はキョトンとしてる。また顔に出てんなーと思いつつ、
「愛理とか梨沙子にだってみやよくこうしてない?」
「いやいや、なんて言うのかな…なんかね、私とか梨沙子ちゃんには妹感ある触り方なんだよね。よしよし〜とかさ!」
「あ〜…」
たしかに年齢的なことはあるけどキャプテンにも可愛いなって感情でよしよししてる。
ももには…
なんの違いだろなんて考えてたらももが気を利かせて
「みーやん、ももちのことだぁいすきなんだもんねっ」
なんて。キャピキャピしてネタにしていた。
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やっと10時過ぎてリハが終わって家に着いた。
はぁ〜…今日は流石に疲れた。
二日連続1日歌って踊って11時に家に着いてるんだから当たり前だ。
「ほんとに歳とったからかなぁ〜…寝よ」
ベットに横になってからリハでの愛理の言葉が頭を回る。
…他の人からもそう見えてるのかな
そう思うと急に恥ずかしくなってきた。
ももといつもしているノリが他の人からはそう見えてたなんて、なんかやだ。
明日からはちょっと控えようか。
そんなことを考えているうちにいつの間にか眠りについていた。