消失点

□わからないB
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…_

本当に翌日のベリーズ現場から今思うとあからさまだった。
ももに絡む時間をかわりに熊井ちゃんやキャプテンに割いた。


ももにしてる距離感を思い出しては、梨沙子に接した。



今日はどうした?なんて笑われながらも何日かそうしていたら慣れてきた

自分の単純さに感謝だ。


「ねえみや〜?」

buonoコンのこと。ちょっといい?
なんて言われて廊下で二人になる。



コンサートの細かいことを話してじゃあと戻ろうとすると腕を引かれる。



「なに?」



ももの顔をじっとみるけど相変わらずこういう時はなぜか顔に出なくてわからない。


ももの言葉を待ってると


ピシッ


「…いった!なにすんの」




「デコピン〜ふふ。隙ありありだよぉみやびちゃん。」


からかうときの呼び方。
仕返しにもものほっぺたを両手でぺちんと挟む


うぐ〜って言ってるけどそのままもものほっぺたをむにむに触ってたら

しばらくこう言うのなかったな…
と急になぜかしょんぼりした気持ちになった。

自分でやめたくせに。



「みや?」


急に手が止まったのをへんに思ったのかももが声をかけてくる


「…なんでもないっほら、いくよ!」


そのまま腕を引き楽屋に戻る。




わざわざ考えたこともなかったけど、

ももがいつもちょっかいかけてきて倍に返してやるのがお決まりで、もももそれを待ってるんだろうなって思ってやってた。



掛け合いとか、歌もだし、隣にいる温度感も、全部がぴったり合うのもわかってる。



だけど仲良しって言わないのは目に見えるそれだけで桃子と築いてきたものを決められたくない。

なんかもっとそんなものじゃなくて……





そんなものじゃなくて?
なんなのだろう。言葉が浮かばない



愛理がなにげに言った一言のせいで今週…いや今月はこのことばかり考えてる。



「あーーもーー!めんどくさい!」


全部全部めんどうくさい。ももを気にするのも自分に自問自答するのも。
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