消失点

□わからないC
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…_


あからさまにみやがおかしい。
昨日の愛理の指摘のせいだろうか



わたしによそよそしくする代わりに他のメンバーとの距離がやたらに近かったり


皆も急な雅の態度に戸惑っている。




「ほんと単純な人…」



今さらこんなのは気にしない。



…つもりだったがこうも長く続くと話は別だ。


「せいぜい3日で忘れると思ったんだけどな〜」

かれこれ一週間が経とうとしていた。
さすがに寂しくなってくる



特に用はないけど話す機会がほしくてbuonoのことを理由に呼び出した



無理やり話題を作って話すも、みやはじゃあなんてさっさと行ってしまおうとする



「みや」


思わず引き止めてしまった。




「なに?」




どうしよう。
みやの瞳がまっすぐ自分を見つめてくる
キラキラな目が可愛い




ピシッ


言う事に困って思わずデコピンした





「…いった〜」



ふふ、この反応が見たかった。



なにするんだなんて言いながらもものほっぺをいじくり回すみやに隙ありなんて
からかっていると、突然その手が止まってみやの表情が暗くなっていく。



「みや…?」


不安になって声をかけるとパッと顔を上げ


「なんでもない」




そう言うと最後にさっきまでは散々強い力でつねったりされていた頰を優しく撫でられた




とりあえず、あの変な距離感はやめてくれるんだろうか。




いままで作り上げてきた距離感を愛理の質問一つで壊されるわけにはいかない。





いつもこうして、時に自虐を入れることでみやとの適切な、ちょうどいい距離を保ってきたつもりだ。




みやとの距離は平行線。
とても近いけどその線が交わることは、きっとない。
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