初恋サイダー

□初恋はE/表最終章
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みやと腕を組んでかえれるのが久しぶりで浮かれてるな、なんてことは自覚してる。



2月だというのにみやはぽかぽかしている



あったかい。



「ももは恋人いないの?」




他愛もない話をしてせっかく楽しい気持ちだったのに、急に指先が冷えていって現実に戻る



なんでそんなつまらない質問するかなぁ




「みやはもも似の恋人がいるんだもんね」



ちょっと意地悪いってみる。


みやって、ほんとに分かってないのかな?毎回ももに似てる人選んでるって



きっと私のことすきなのに、気づかないの?
それとも本当になんとも思ってないの?




「女の子、いけたんだ」


流れる沈黙にちょっと後悔した




「ももじゃなかったら誰でもよかったから」



すると思ってたのと違う答えが返ってきた
はぐらかされると思ってたのに、あれ?



もしかしてみやびちゃん今遠回しに告白してる?




「酔って冗談言ってる?」



みやはお人好しで素直だから、自分の気持ちを勘違いしてたり、ももに気を使ってそういったりしていたら嫌だ




今までだって気が合って楽しくて、そのうち勘違いして好きになられたら嫌だから線引きしてたのに



ももがみやとしたいのはそんなニセモノの恋じゃないから




気付いたらみやが泣いてた



「えっ、みや泣いてるの?」



余計泣かせそうで怖いけど釘は刺しとかなきゃ



「最初っから決まってる勝負に手出したくないから」





「やってみなくちゃわからないのに、なにそれ」



みやが羨ましいよ
そうやって人が必死に引いた線を軽々飛び越えていくんだもん




「わかんないよもう…」




「じゃあ分からせたげる」



俯いていると頭にみやの声が降ってきて急に服を掴まれるからきゃって声が出そうになる



急に縮まったみやとの距離に思わず目を瞑った



みやって唇まであったかいな、なんてこんな状況を前になに冷静になってるんだろう



「これで分かった?」




みやがキスで伝えたいことは痛いほど伝わってきた
いままでのどんな言葉よりまっすぐ心に入ってくる



「間違いじゃなければもももみやと同じ気持ちなのかなって思ってるよ。ももの気持ち聞かせて?」



答えなんて最初から決まってた



ちょっぴり高いみやの身長に合わせて背伸びをすると、そのあたたかい唇に口付ける



「鈍感」



なふりしてたのかな?みやも、わたしも



慌てた顔して鈍感じゃないとか抗議してくるけど、その耳が真っ赤なのが可愛くって

急に強くなった口調すら愛おしいななんて思いながらもう一度甘いキスをした
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