初恋サイダー

□サイダーみたいにF/裏最終章
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…_






みやの家にももがいるなんて何年ぶりだろう…


みんなとも相当飲んだ後。
桃子と揃えた帰り道の途中飲み直そうって誘って、近いからってうちに来させた




しかも桃子に跨られて



せめて持っている缶を置かせてほしい



「みや彼女いるんでしょ?」



「付き合ってるわけじゃないけど」



「女の子もいけたんだ」



なんて答えよう

酔った頭で考えてもまともな理由が見つからない。



ていうかなんでズボン脱がせようとする桃のために腰浮かせてあげてるんだろう



「べつにももじゃなかったら誰でもよかったから」



一瞬反応するように桃子の手が止まったけどすぐするすると脱がすとソファの下に置いた




下着の中に入ってきた手がさっきまで缶を持っていたせいで冷たくてびくっとする




「ねえ濡れてるじゃん」




「…うっさいな」




いきなり下着の中に手を入れてくるあたりロマンチックのかけらもないなと思いつつ濡れているのが恥ずかしくてそっぽを向く




「わたしもみやのこと好きだったよ」




突拍子もなく桃子が呟く
声が小さくてもっと近くで話してくれないとよく聞こえない




桃子の声と雅の水音だけが部屋に響く



「なんで、過去形」



「だっていつもだれかと付き合ってるから」



やっぱり自惚れじゃなかったんだ


桃子の首に手を回す

「キスして」



ゆっくりももの唇が近づいてくるのが待ちきれなくて自分から奪う



応えるように薄い唇を押し付けてくるのが可愛い

「あっ……、ん、あっ」


桃子の指先が器用に中へ滑り込んできて擦られる


「ももっ、もも」


何度も呼ばなくちゃ届かない気がして名前を呼ぶけど荒い息が邪魔してちゃんと呼べない



もどかしくって、

するといるよと優しい声で桃子がまたキスしてくれる

「んぅ、ん」


気持ち良くて、嬉しくて、可愛くて、頭が空っぽ


「みや、きもちい?」


うんって答える前にお腹のあたりがきゅうっとなって果ててしまう



頭がチカチカするけど一緒にいてほしくて桃子を胸元に引き寄せる



「みやがどう思ってるか知ってた?」


「知ってた」


なーんだ、ばかみたい
一人でウジウジして変な駆け引きしてみたり、らしくない作戦かけたりして



「もっと早くに、……こうなってたらさ」



「うん」


「どうだったんだろうね?」


ももがぴったりくっついてくるから表情がよく見えない


返事をするももの息が鎖骨らへんにかかってくすぐったい


「どうだろ…でもたぶん、ももはこうならなかったと思うよ」


「なんで?」


「毎日一緒にいられたころは、なんだかそれで十分だったんだ。満たされてたっていうかもっと近づきたいとか思わなかったかも」



へえ、とおもった


みやは全然好きだったよ
嫉妬したり触りたいっておもったり、してたけど



「そっか」


息がこもって酸素が欲しくなったのか顔を上げるももと目が合う


「みやは?」


やっぱももって鈍感


「べつに、みやもそんな感じだよ」



あーやばいな、拗ねちゃいそう
めんどくさいって思われたくないのにな



ももがにやって笑う



もぞもぞと上に上がってきて同じ目線になる



「だけど付き合うとしたらってよく聞かれてたじゃん、あれみやがいいなと思ってたよ。」


「もも、自分の気持ちに気づいてなかったのかな?」


そんなことないのに自分を落として、みやが不機嫌にならないようにしてくれてる



「そうだねももって鈍感バカだね」



ももの優しさに甘えてる



「バカはないでしょうよ、バカは」


そういうと優しくほっぺたを撫でてくれた

なんかたまらなくなってももを自分の下に敷いた


跨ってみるももの顔はかわいくってなんかずるい

みやの欲望を見透かしているような余裕な顔をみると、やっぱりももはいつも先にいて敵わないなって思う


やっぱりバカなのはみやの方なのかなぁ

そう思いながらももの真似をして優しく口付けたけどももみたいに上手くできなかった


だけどその分たくさん今まで言えなかった愛してるよって気持ちでピクッと震える桃子の瞼に、肩に、手に口付けていく



我慢してるのか手の甲を口元にやって顔をあんまり見せてくれない

そっとその手を退けるとももの目がうるうるしてるのが見えた

薄くつけてるライトが反射してキラキラの瞳


「名前呼んで」

「みや…」

「もっとちょうだい」


それに応えようとももが口を開くけど声より先に口付ける


何度も何度も角度を変えてあの薄い唇をついばむ

スカートの下から手を入れると脚がもぞもぞっと動きだす


なるべくももが怖くならないように撫でていると強張ってた脚が緩くなった気がする


「いい?」


そう確認するとコクンと頷く

そっと指先を入れると小さな咳払いが聞こえる


傷つけないようにできるだけ優しく

「みやはこっち」

とももに呼ばれ片手で頭を撫でるみたいに抱きしめてると耳元でみやって呼ばれた


返事の代わりに頬にキスするとくすぐったそうに笑うのが可愛くて


しばらくそうしてるとももは堪えるみたいにギュッて目をつぶって果てた


横に寝転がって小さな体を抱き寄せる


二人とも恥ずかしくなってくすくす笑って、おでこをくっつけあった




「寝よっか」



「みや?」




「ん?」



ももの唇がふれた



「愛してるじゃ伝わらないね」



「うん足りない」



そう言ってももの真似っこして口付けた



そういえばこないだの、正夢みたいだ

今日はいい夢みるだろうな
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