僕らはいつも一緒 大好きな君とは2人で1人だから

【歌を忘れたカナリヤは後ろの山に棄てましょか】
【いえいえ、それはなりませぬ】
歌を忘れたカナリヤは・・・・・・・・・

『ピロ見て 綺麗な服においしそうな木の実、おなかすいたよう』
『でも人間に飼われるのは嫌だな 僕』
『ねえうたって ピナはピロの歌が大好き』
辛い時も一緒に歌えば幸せな気持ちになれるもの
「ほう 野生のカナリヤとは珍しい」
『あっ 木の実』
「どうした?お食べ」
『ピナ!!逃げようこいつらあのお屋敷の人間だ』
『おいしい、おいしい!』
「つがいか 悪いな 雄はいらないんだ」
『はなせ!!ちくしょう!ピナ!』
『すぐ帰るよ♪ピロ』
『でひきさがったってワケか。あそこに連れて行かれると
変なエサ食わされて鳥の言葉がわからなくなるんダ』
『なんで?!』
『ハハ!何にも知らないんだな お前の事もすぐ忘れちまうさ!』
『いい加減な事をいうな、嘘つきカラス!!お前なんかどっか行け!』
『ああ、行ってやるサ!』
【歌を忘れたカナリヤは背戸の子藪に埋けましょか】
【いえいえそれはなりませぬ】
・ ・・・・・・・・・・・・・・
「ようこそお待ちしておりました」
「ウチの鳥達は品種改良によりすべて5歳児程度の知能を持っています」
「ほう・・・・・・・・・・。」
「あれは?」
「お目が高い あのカナリヤは先日入荷したばかりでして」
「人語は話せるのか?」
「もちろんです よいお話相手に・・・・・・!?」
♪〜♪――♪〜♪♪♪〜♪―♪〜
「なんだ! これはあのカナリヤの声かね?」
「いえ、まさか・・・・・・・・・。」
『あれ・・・・・・・・この歌は』
おぼえているよね ピナ
―♪〜♪♪―♪――♪♪♪〜♪―♪〜
毎日一緒にうたった
      僕と君の歌  忘れるわけがない
『ピーピーうるさいわ 下品な声!!』
『部屋に行きましょう、ピラ』
『どうしたの?ピナ』
『・・・・さあ?悲しくもないのに涙が出るの』

【歌を忘れたカナリヤは 象牙の船に銀のかい
月夜を浮かべれば      忘れた歌を思い出す】

[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ