Short Room
□[一人]と[独り]
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「綱吉」
「あ…雲雀さん」
僕が音を辿ると、屋上に着いた。見渡すとフェンス近くに綱吉が、ペタンと座り込んでいた。
「何、してるの」
「少し…一人になりたくて」最近、綱吉の周りには人が増えた。右腕志望の爆弾小僧や腹黒野球少年など。
あ、そういえば、赤ん坊もその一人だっけ。
「独りは嫌いなくせに」
「独りは嫌いです、でも…一人は好きなんです」
綱吉の呟きに呆れながらも、そんな考え方が好き。
だからこそ…惹かれた。
「綱吉…身体、冷えるよ」
抱き込むと、想像以上に身体は冷えていて、少し苛立った僕は綱吉を強く抱き締めた。
雲雀さん、痛いです。小さな声が聞こえたけど、もっと強く抱き締めた。
独りと一人は
紙一重。
嬉しい気持ちに
なれる【一人】
寂しい気持ちに
なる【独り】
君を想って
一人になれるなら
幸せだよ。
ね、綱吉……。
−End−
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