『貪欲ソリアーノ!』番外編〜こんにちわ!破面の皆さん〜
今日はジャガーさんもウルさんもあたしの近くにいない。ていうか逃げてきた。二人ともうるさいしね。
それに、ラス……何とかの中探検してみたかったし。
どこ行こうかなー。
「誰だぁ?」
「?」
声がした方を振り返ると、でっかい血のついた鎌を持った人が立っていた。
「わあ。かっけー」
「あ?お前、グリムジョーが連れてきた女か」
「ん?うん。そうだよ。あなたはアレか、口裂け女さんか」
「誰がだ!大体女じゃねぇだろ!」
「うん、でも似てるよ!ウラヤマシー」
「棒読みじゃねぇか。言っとくけどなァ、俺がお前を殺さねぇ保証なんてねぇんだぜ?」
「えーやめてよー」
「…………」
口裂けさんは無言であたしを睨むと一つ舌打ちをして鎌をしまった。
「グリムジョーも変なの連れてきやがったもんだぜ……」
「変なのとは失敬だぞチミ!全あたしに謝れ!」
「あ、間違った、変態だった」
「それよりも、えーと、口裂けさんの名前は?」
「ふん。そんなもんテメェに教えてどうする」
「教えてくれないの?じゃああたしが勝手に名前決めるよ。えーと、口裂けだから………クチ……サケ……あっ!サケタロウ――」
「ノイトラだ」
「の、ノイトラさんね。おけー牧場」
「ったく俺はもう行くぜ……これ以上お前になんか付き合ってられねェよ」
「まじか。じゃああたしももう行こー。バイバイ、トラさん」
「ああ。………………ちょっと待て」
がしっと肩を掴まれた。
「痛ッ!何さ!」
「何さじゃねぇ!お前さっき何つった」
「おけー牧場?」
「違ぇ!もうちょっと後だ!」
「痛ッ?」
「もっと前!」
「ヒャハハハ!この世界は我が頂いた?」
「んな台詞言ってねぇだろーがァァァ!!!」
「(Σ怖っ!)も、もうわかんないよ」
「……じゃあ、俺の名前呼んでみろ」
「トラさーん」
「それだ!何だ、トラさんって!!?」
「かっけぇじゃん。それにホラ、ノイトラさんって言いにくいし」
「別に言いにくくねぇだろ!」
「言いにくい言いにくいまじ言いにくい」
「テメェ……」
「じゃっ、あたしもう行くねー。今度こそバイバイ、トラさん!」
「おいっ!」
あたしはてってかと走って行った。次はどこに行こうかなー。