言の葉を紡いで何処へ行く

□妄想力を鍛えるお題
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   まさみつ

どうやら飲み過ぎたらしい。
ゆらりと目の回るように動く景色に、思わず三成は右手でこめかみを抑えた。

兼続に誘われ、幸村とともに彼の元を訪れ。
水入らずで酒を飲んだのが数刻前。
酔いを醒ますために近くの山道を歩くも、その酔いは醒まされず。
終いには夜風に当たるためにと、諦めたように水辺近くの木陰に腰を下ろすこととなった。
濃紺の浴衣は乱されることなく、然し本人は酒に酔い。
色づいたその頬がどこか倒錯的だと、指摘する者は居ぬ。

その樹の傍を歩く者が一人。
奥州筆頭、伊達政宗。
彼は夜風に誘われて、その歩を水辺に進めていた。
そこで見たのは赤い髪。
普段は下ろされている髪は、夏の暑さからか一つに結われ。
いつもの赤い戦闘服ではなく、濃紺の落ち着いた色合いの浴衣は彼の姿を際だたせる。
月明かりに浮かぶ姿。
それにつられて、政宗はそちらへと歩き出していた。

ぱきり、と小枝が鳴った。
その音に三成、瞬時目を開けて。
懐に忍ばせた小刀を構え、様子を窺う。
その反応に気付いた政宗は、敵意はないと示すために両手を上げ。
絆されたのか、三成は小刀を鞘にしまう。
「こんな所で一人とは、危機感がないもんだ」
政宗呟くように告げ。
三成の眼光が鋭くなるのはそのすぐ後。
「襲われても知らねぇぞ」
月明かりに滲むその顔に、紡ぐ。
「…お前に何の関係がある」
眼光鋭くした三成、睨め付けながら彼に告げ。
「いいや、ないね。HA、ただ少し気になっただけさ」
その言葉を聞くと興味を無くしたようにそっぽを向き。
「…けどな」
続く言葉に再度視線を政宗に向けた。
「そんなに無防備でいたら襲っちまうぜ?」
その言葉に今更のようにさらに頬に朱を昇らせた三成は。
ふいと顔を背けて。
あえて彼を無視するように帯に挟んでいた扇子を開閉させて。
その仕草に可愛い、なんて政宗が思っていることを知る由もない。
政宗、その衝動に突き動かされて三成を胸に抱き。
少し野間の後身体を強張らせて反発する三成の耳元に一言。
「関係ないだなんて言ってくれるな」と。
その言葉にこれ以上ないほど真っ赤になった三成、思わず抵抗も忘れ。
反抗がなくなった政宗は三成の髪を撫でる。
「…せめて撫でるのは止せ、恥ずかしい」
ぽつりと呟いた言葉に。
政宗はOkey、と笑って再度抱きしめるのだった。

                  20080830 了

まさかこう言うのを書くことになろうとは…。
ナチュラルに無双政宗の存在無視でスミマセン。
多分この設定の場合、無双政宗とBASARA政宗は交代しているものかと。
バサムソの時点でコウヤ的に公式となっている気がします、ナチュラル存在無視(汗)
でも書かれないだけで、本人はどちらかというと二人とも存在している、を基本にしています。
OROCHIのバサムソ版、みたいな感じ。

お題配布元:妄想力を鍛えるお題様(PCのみ)





up:20080830




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