□水
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「あめふんだよ」
「へ」
「おまえがくるとあめふんだ」



ああ、雨降るんだ、ね
一瞬何いってるかわかんなかったわかんなかったけどこいつが今苛々してるのはわかる
無理もないこの土方という男は俺のことすきじゃないから
銀さんのこと嫌いなんてしんじらんない


「だからなに」
「だからもうくるな俺は雨きらいだ」


雨じゃなくて俺が嫌いなんでしょばかめ
俺もおまえが嫌いだからこうやってわざわざ真選組屯所まであいにくる
おまえのいらいら顔がみたいからそれだけでわざわざ
でもちょっと待てたぶんこの雨は俺のせいじゃない


「梅雨だろこれは」
「…ちげえ」


ぼそりとつぶやきなにか書き物をする土方は外であうとつっかかってくんのにこうして押しかけるととても静かで俺は調子がくるう


「なにしにくるんだ」
「べつに、ゴリラ見に、とか?」
「近藤さんはゴリラじゃねえ」


ゴリラじゃねえっつってるわりに近藤だってわかってんじゃんばかだ


「ほいじゃ親友のドS王子にあいに」
「じゃあ総吾んとこいけ」

あらまあつめたいこと


「マヨ狂いのニコ中にあいに」
「、…」


土方の開いた口はことばをなくしてぱくぱくと動く
滑稽だ
まったく滑稽だ


「…う、そだ、よ」


滑稽なのは俺だった
いったのは俺なのに俺が困ってどうすんだ
きまずい
きまずいからぼんやりしてみた


「つまんねえ冗談はやめろ」


おこられたから自分のかみを触ってみた
梅雨でふくらんだかみのけ

「ばーかわたあめ」
「るせ、ぴっちりヘアー」「あめやんだらかえれ」
「へ」


ああ、雨やんだら、帰れねでもいいのやみそうにないけどしばらく
こいつがいいっていうならいるけど


土方が筆をおいた音がした



20070807

 

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