お妙さんと局長話

□感
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顔を


「俺がどんな思いで我慢して居ると思ってるんだ。」

見せて


「貴女は何も理解ってない。」


ゆっくりと力が抜けて行く。
腰が、落ちて行く。


肩に手が乗り、
貴方の顔が私の眼に写った。


「私…お酒臭いから…ちょっと待って下さい」


言ったのは私なのに。
逃げ出したくなる。


「待てない」


獣のような、口付け。

眼を開いたまま、口を開く。

私に入って来る貴方の舌。捕まえると、ぴくり、と眉が下がった。

目は閉じない。
感じて居る貴方が見たいから。



始めは大人しかった貴方の舌は、段々と私の口内を激しく犯す。




ああ


貴方はこんな顔で


女を抱くのね。


そう思うと、じわじわと何かが私を襲った。


苦しい。


下半身が、痺れる。


「はあ…」


口を離すと
彼の眼も心無しか濡れて居た。


「俺が今、どんなに嬉しいか、理解りますか…」


肩で息をしながら。


「理解りたくもありません。…苦しい…」


「辛抱して下さい。幸せで仕方ない…ずっと…触りたかった…!」


「何を…」


言うが早く、再び唇を食べられた。


このまま私は貴方に食べられるんだ。



跡形も無く。



もう理解らない。
貴方の事が好きなのか
貴方とどうなりたいのか
何故こんなに貴方を拒否する自分が居るのか。


理解るのは



今私が



感じて居るって事。






真剣な貴方の顔。
きっと人を斬る時も、こんな顔をして居るのだろうな、等と。考えながら。


ゆっくり私の中に



貴方が入ってくるのを



眼を閉じ、実感して居た。


おわり
2007327
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