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□無
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嫌いと好きは似て居る







「武士にとって最大の不幸はなんだと思う?」




近藤勲が皆に理解されて居る事は知って居た。
嫌になる位。

最初は自分の感情が何なのか理解らなくて
僕に感情があれば、の話しだけれど。
その感情は世間で言う「嫉妬」だと認めるのにも時間がかかった。
嫉妬はやがて形を変えて益々僕を縛って行く


「近藤勲を暗殺する」


口の中で繰り返す

言葉にするとなんて
なんて甘美、な


あの笑顔が
あの目、が
僕の前で恐怖に歪みもしかすると命乞いだってするかもしれない。


あの人が死んだら僕はきっと

泣くだろう。
笑うだろう。


でもきっと僕は
この手で貴方を斬るような事はしない。




好きだから。




僕は近藤勲が好きなんだ。


だから
いなくなって下さい。
好きなんて僕には
必要ないんです。

貴方にだけは理解して欲しかったけれど
無理、なようだし。
結局は僕の知識だったりが必要だっただけでしょう

僕は貴方に失望したんだ。
だってそうでしょう。
どうして貴方は僕を選ばなかった?


後悔、すればいい。




よりによって。
よりにもよって
土方を選んだ貴方に




「無垢、だ。恐ろしいほどに。」






おわり 2007420
 

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