短編
□キスの攻防戦
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悔しい悔しい悔しい!
視界一面には勝ち誇ったような笑み
口端がニヤリとあがったその笑みは
悔しいくらい綺麗
細められた瞳だって
すっごく綺麗
嗚呼、あたしはあなたにどっぷりつかっているみたい
さっきの攻防戦だって
幾ら睨んでもいつものようにあなたのキスで終わるし
嗚呼、あたしはあなたがだいすきみたい
「馬ー鹿」
「馬鹿じゃない!!」
真っ赤になった顔で睨み返せば
再び攻防戦のはじまりはじまり
今度は負けるものかと奮闘するも
あっという間に腕を捕まれ
ちゅ、と音が鳴る
「お前からなんざ百年早ぇ」
そして再び悪魔の笑み
なんて貴方は強引なんだ!
だけど私の顔が朱いのは
何ででしょうね
キスの攻防戦
そんなあなたが大好きだ!