Graveyard Of Memory
□動き出せ
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「―…いないのか?」
部屋は合っている。10になる前からここに来ているのだから間違うはずもない。
けれど何度ノックしても返事も物音も聞こえてこなかった。
3分後。
元々気の長い方ではない俺はノックを諦めて、ドアに掛かっていたロックを外そうと電光パネルに触れた。
「ん?」
しかし扉の横にある電光パネルにはOPENの文字。どうやら護衛対象はロックをしていなかったらしい。
(ったく…不用心だな…)
貴重なコアを所持しているという自覚はあるのか。いくら機関内だからと言って誘拐されないという保証はない。反王国組織の蒼も保持者を集めているらしいし。
俺は心中で毒づきながら扉のセンサーに手を翳し(一応機関の人間以外には開かないようになっているのだ)、部屋に入った。
瞬間、強い風に吹かれる。
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