Graveyard Of Memory
□動き出せ
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「でも悠生くんの護衛が飛鳥くんで良かったわ。」
結菜は天使の微笑みを浮かべると窓縁に座る悠生に歩み寄った。
「悠生くん、コアの場所も分からないのに能力を暴走させてしまったら大変だもの。でも飛鳥くんとならきっと大丈夫ね。」
どんな根拠があるのか気になるところだが、結菜は優しく微笑むばかりだ。
「…コアがなくても、僕は平気だ。」
初めて悠生がまともに話したのを聞いた。声はあえて低くしているようだが、まだ声変わりはしていなさそうだ。
「僕はすぐ暴走するような馬鹿じゃない。」
「あら駄目よぉ。能力も分からないのに暴走を止めるのは大変だわ。それに私たち“保持者”は能力をコアを貯めてから使わないと、その強すぎる力故に自分の身を滅ぼしてしまうの。」
諭すような結菜の声に悠生は黙り込む。
何だか納得していなさそうな顔だ。
「 と に か く 」
そんな悠生などお構い無しに結菜はぱんっと手を打った。
「悠生くんの荷物を纏めましょう!」
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