小説
□がんばるよ
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「十代目!がんばってください!」
ありがとう。
君は毎日そう言ってくれるよね。
君が「がんばって」って笑いながら言ってくれると自分もがんばってみようって思うんだ。
「ありがとう、がんばるね」
毎年計る50m走。
毎回やる気がないし、だいたい10秒ぐらい。
だけど。
君に「がんばって」って言ってくれるとやってみよう、と思う。
死ぬ気になれる。
ピーッ!!・・・笛の音、始まりの合図。
ダメな俺でもがんばれる。
君が応援してくれるから。
君が「がんばって」って言ってくれるから。
走ろう。
・・・結果。
上がったよ、獄寺君。
君のおかげだね。
「おお!ダメツナが9秒いったぞぉ!」
クラスメイトが俺の記録を見て大声で叫ぶ。
「十代目!お疲れッス!」
いつもみたいに笑顔でこっちに来る。
「十代目すごいです!死ぬ気で走ってるみたいだったですよ!」
それは君のおかげなんだよ。