小説
□久しぶり
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やっと、やっとこいつと会える、戦える。
大きな扉がある。
空ける前に大きく深呼吸しよう。
スー・・・ハー・・・。
ああ、まだ少し不安だ・・・もう一度やろう。
スー・・・ハー・・・。
・・・少しだけど不安が消えてゆく。
よし、開けよう。
大きな扉をゆっくり開けた。
扉の向こうにいる人物。
百蘭。
こいつを見た瞬間。
いろんな怒りが湧き起こった。
こいつのせいで、こいつのせいで・・・。
いろんな人が苦しんでいる、大切な人が死んでゆく・・・。
こいつだけは絶対許せない。
百蘭がこっちを向く。
そして、その声を聞く。
「初めまして・・・いや、久しぶり、綱吉君?」
なんの緊張感もない声。
「久しぶり?俺はおまえとは初めて会った・・・会った事なんてない」
俺の声は強張っているだろう。
・・・自分でもわかる。
「そんな怖がらなくていいよ・・・僕の事覚えてない?」
笑いながら言っている。
ふざけている、この男。
ますます怒りがますばかりだ。