小説
□星のない世界
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今日は9月9日。
俺の誕生日。
自分でも忘れてた。
みんなも知らない。
教えてねぇし。
教えるのだってめんどい。
それに・・・―――
10年前。
「隼人誕生日おめでとう」
その人は優しく微笑みかける。
「うん!ありがとう!」
自分も笑顔で返す。
「隼人もこれで4歳なんだよね?」
「うん!4歳だよ!」
「よかったね」
「うん!」
自分の4歳の誕生日。
母様(かあさま)は祝ってくれた。
母様と姉貴だけ。
そでれも嬉しかった。
母様に祝ってもらって。
それだけで幸せだった。