長編小説1
□約束のひだまり〜終章〜
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ND2021 シャドウデーカン ルナ 49の日
幸せに満ち溢れたバチカル最上層の広場。
今日、ここで新たに結ばれる一組のカップルがいる。
最上層の広場の脇にそびえ立つファブレ公爵邸の一室では、さっきからルークがせわしなくうろうろしており、部屋の端の立っているガイは、そんなルークを見て苦笑していた。
「ルーク…、お前、もう少し落ち着け」
「あ…、うん…。けどあ゛ーー!!」
ガイの言葉に一瞬、落ち着きを取り戻したかに見えたが、やはり思い出して緊張したのか、頭を抱えてしゃがみこんだ。
そんなルークを見て息をひとつ吐いたガイもしゃがみこんでルークに目線を合わせ、いつもより真剣な眼差しで言った。
「お前が決心して決めたことだろ。しっかりしろ。ティアには両親は疎か、唯一の肉親だったヴァンすらいねぇ。ティアの同胞として、彼女を不幸にしたら許さないからな」
ガイの真剣な眼差しにルークも真剣に見つめ返す。
暫くガイは同じ眼差しでいたが、ふっ、と顔を緩ませると、ルークの頭に手をポンポンと当てて、今度はいつもの優しい声で言った。
「もちろん、お前の幸せも願ってるよ。心の友兼使用人としてな」
「ガイ…。…ありがとう」
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