長編小説1

□約束のひだまり 番外編〜守護〜
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ルークとティアの婚約発表から4ヶ月が経った。

来月の式に向けて準備が忙しいのかここのところあまりティアはアニスのもとへ顔見せという名の手伝いに来ていない。

しかし、今日は珍しく来れるようで、アニスは久しくティアに会った。


「こうしてティアに手伝ってもらうのも久しぶりだね〜」

「そうね。最近は身の回りのことに忙しくって来ること出来なかったから」

「何かごめんね。もっとルークと一緒にいる時間欲しいでしょ?」


わざとらしいくらいの笑顔でアニスはティアの方を見た。


「な…っ!///そ、そんなこと…」

「いいよ、遠慮しなくても。2年も会えなかったんだし、会えてもひと月近く離れてたんだし」


相変わらずティアは全力で否定しようとする。

そんなティアをにやにやと見ながらアニスは片肘を付き、そこに顔を乗せて、空いた手は持っていたペンをくるくると回している。


「で?何処までいってんの?」


更に笑顔を広げてアニスは興味津々と言わんばかりに訊ねる。


「ど、何処までって…」

「ルークの部屋に泊まったりすることあるんでしょ〜?」


何故かアニスが嬉しそうに言う。

しかしティアはアニスの言葉に特別な意味を感じなかったのか、きょとんとして答えた。


「え、えぇ、まぁ…。場合によってはルークの部屋で休むように通されるけど…。それがどうしたの?」

「え゛……」


あまりにも鈍感な答えに、アニスは一瞬言葉を失った。

そうだった。ルークは歳は20歳とはいえ、気持ちはまだ10歳だ。

しかも今まで頑なにお互いの気持ちを否定しあってきた二人だ。

お子さまカップルと言っても何ら支障はないだろう。


「つかぬことを聞くけどさぁ、いつも会ったらどんな感じなの?」


さっきまで回していたペンは置き、両肘をついてそこに顔を置く。

顔にはやや呆れの色が見える。


「えっ?えぇっと…、どんなって言われても…。私は私ですることあるし、ルークも遅くまで仕事があるみたいだし…。最近は私が先に寝ちゃうのよね」

「先に寝ちゃうって…。ルークがいつ戻ってきたかとか知らないの?」


更に顔からは呆れの色が出ている。


「さぁ…?気が付いたら朝でいつもルークが床で寝てるのよね」

「ち、ちょっとまって!…床?」


思わぬ単語の出現に、思わずアニスは身を乗り出した。


「?え、えぇ…。いつも私にベッドを譲ってくれてルークは床で布団を敷いて寝てるのよ。私はいいって言ってるんだけどルークが…」

「へ、へぇー…」


もはや呆れを通り越し、顔が引きつるのをアニスはわかった。

それと同時に、ルークに会ったら一発蹴飛ばしてやろうとも思った。

どこまでお子さまなんだこの二人は。



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