長編小説1

□約束のひだまり〜終章〜
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ルークの気持ちも、その場の雰囲気も和んだ時、数回のノックと共にアニスが入ってきた。


「結婚おめでとっ!ルーク!」


ふわふわのピンクのドレスに身を包み、いつもは黄色いリボンで結われているツインテールは今日は白のレースリボンで結われている。

そんなアニスの傍らには、フローリアンが控えていた。


「おぉ、アニスか。サンキュー。お前も近々導師に就任なんだってな。おめでと」

「まぁね〜。トリトハイム様とマーチのお陰で初・女性導師に認められましたよ〜。ティアを大詠師に迎えようと考えてた矢先に公爵夫人になっちゃうんだもん」


アニスは唇を尖らせて言った。

その脇で控えていたフローリアンも苦笑いする。


「詠師にはトリトハイム様のお孫さんでもあるマーチ様が就いてくださると決まりました。じきに大詠師の方も決まりますのでお気になさらないでください」


と補足するようにフローリアンは言った。


「そっか。なら、アニス導師率いる新生ローレライ教団に期待しますか」


悪戯な表情でルークはアニスを見た。


「見てなさいよっ!戦争も差別もない世界にしてやるんだから!」


アニスも力強く応えた。

あれからゆっくりとではあるが確実に変わっていっている世界。

未だ反乱を起こそうとするものがいるものの、ルーク達の行いに賛同するものは多かった。


「そうだルーク。ティアの方、そろそろ準備終わってると思うけど見に行かない?」

「い゛……。いや、いいよ…」


アニスの突然の思い出したような提案に、ルークは言葉を濁した。


「?どぉして?……さては晴れ姿のティアを見るのが恥ずかしいんだな?」


アニスは小悪魔のような笑みを浮かべてルークを見た。


「そ…、そんなんじゃねぇっ!!」

「ならいいじゃーん。行こっ」


と、アニスは嬉しそうにルークの腕を強引に引っ張っていく。


「ちょ……!ア、アニス;」

「ちょぉっとルーク借りてくから留守番よろしくねぇ、ガイv」


賑やかにアニスがルークを引っ張っていき、フローリアンもそのあとに続いていった。

あとに残されたガイは、苦笑いを浮かべながら友が引っ張られていくのを細々と手を振って見送った。



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