長編小説1

□約束のひだまり〜終章〜
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「あれ?ルークさん何処か行かれたんですか?」

「うわぁっ!?…あ、ノ、ノエル。すまない」


突然ガイの後方からノエルがひょっこりと現われたため、女性恐怖症持ちのガイは思いっきり驚いてその場を飛び退いた。


「いえ、別に構いませんが…。…少し傷つきましたけどね」

「いや、本当にすまない…。おや?今日はアルビオールを操縦してきていないのかい?」


今日は髪も巻いてセットしており、婚約発表のときよりも整った正装をしているノエルを見て、ガイは訊ねた。


「はい。今日はお兄さんが操縦してくださるということで、私も先に支度を整えて来ることが出来ました」


にっこりと言ったノエルの巻かれた髪がふわりと揺れる。


「可愛いね。よく似合ってるよ」


相変わらずのナチュラルスマイルでガイは褒める。

ノエルは顔を真っ赤に染めて、手にしていた花束をガイに差し出して言った。


「あ、あの、これ…。ルークさんに渡してくれませんか?シェリダンのみんなからです」

「そうか。ありがとう。ルークもきっと喜ぶよ」


輝かんばかりの笑顔でガイは花束を受け取った。

…ただし、一度机に置いてもらってノエルが離れてから受け取るというように、机を介してだが。


「そ、それじゃあ私は先に式場の方に行ってますね。ルークさんによろしくお伝え下さい」


ノエルはそれだけ告げ、軽く頭を下げてから駆けていってしまった。

そのあとは来室者もおらず、ガイは一人寂しくルークの控え室で主人が戻るのを待っていた。



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