その他

□最初から気付いてた
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僕は最初から気づいてたんだ、僕等の関係が永遠に続くわけないと・・・


夏休みも終わった9月のはじめ、僕は第三音楽室の椅子に一人座っていた

いつもの様に光がハルヒと楽しそうに喋っていてそれを殿が羨ましそうに見てる
モリ先輩はハニー先輩の口元に付いたクリームを取ってる
鏡夜先輩はいつも持ってるファイルに何か書いている


最近僕思うんだ、光はもう自分がハルヒの事好きだって気付いてるんじゃないかって・・・
僕等は双子・・何もかも一緒なんだ・・・
そう、僕だってハルヒの事好きなんだよ?
僕だけがこんなに悩まなきゃいけないなんて不公平だよ
光はずるいよ・・・


「馨?どうしたの?」

ハルヒの声に僕は我にかえった

「な、何・・?」

「さっきから何か変だよ?」

「え?ううん、何でもないよ・・」

ふと光の方を見ると光がつまんなそーな目でこっちを見ている
何でそんな目で見るの?
光だってハルヒと楽しそうに喋ってたじゃん
僕にもちょっとくらい喋らせてよ
僕だってハルヒの事好きなんだからさ・・・


「さっき光と何話してたの?」

「別にたいした事じゃ・・・」

「何だよー」

「いや、本当にたいした事じゃ・・・」

ちょっと光にいじわるしてやれ

「あ、ハルヒー、あまったケーキ食べる?」

「え、いいの?」

「はい、あーんして?」

僕は光の方をチラっと見た
光は雑誌を読んでいてこっちには全く興味がないように見えた

「こらー、何してる!俺の可愛い娘にィ!!」

殿の怒った声が耳に入った

「ごめんごめん・・・;」

「もう、くれるなら普通に渡してよ・・・」

ハルヒは少し怒った顔で僕に言う

やっぱりハルヒは可愛いな・・・

僕はハルヒの事をずっと考えていた、するといつの間にか6時になっていた

光るが僕に言う
「馨ー、車来たよ?」

「あ、うん、帰ろっか・・・」

「ハルヒー、途中までついてきてよ」

僕はその言葉を聞いて改めてわかった
やっぱ光はハルヒの事が好きなんだな

「え、嫌だよー、面倒くさい」

そっけないハルヒの返事に僕は光と同時にむくれた、もちろんわざと

『何だよー、いいじゃんちょっとくらい・・・』

僕等は二人でハルヒの背中を押した

『いいじゃんいいじゃん、付いてきてよ☆』


そして僕等は車までハルヒと一緒にきて車に入った

僕は窓から顔を出してハルヒに言う

「わざわざ付いてきてくれてありがとうね☆」

「もー、二人が無理矢理つれてきたんでしょ?」

「あははは、良いじゃん別にー☆」

「はぁ・・・」

ハルヒが困った顔をして溜息をつくと
僕の左肩にぐいっと右手をかけて光が顔をのぞかせた

「何だよハルヒー、僕等とさっさと別れたいってわけー?」

「まぁね・・・」

『ひどいやハルヒー』

「はいはい、わかったから、じゃぁね?」


走り出す車の中僕等はハルヒが見えなくなるまでハルヒに向かって手を振り続けた
ハルヒが見えなくなり僕等はやっと席についた
光るが鞄から出した雑誌を僕に渡した

「ほら・・・」

「ありがと・・・」

僕はそれを受け取り読み始める

静かに揺られる車の中ふと僕が光に問いかける

「ねぇ光?」

「何?馨」

僕は胸をドキドキさせながら光に言う

「光ってハルヒの事どう思ってるの?」

僕は返事を聞くのが怖かった、でも聞きたい気持ちもあって・・・

「どう思うって僕は馨と同じ考えをしてるんだよ?だから僕は馨と同じこと考えてる・・」

光はやっぱりずるいよ
僕と同じ考えって・・・
僕はハルヒの事好きなんだよ?

「そうなんだ・・・」

僕はそのとき初めて光に偽物の笑顔を見せた

僕はこれからもこんな風に偽物の笑顔を見せるのか?



僕は最初から気づいてたんだ、僕等の関係が永遠に続くわけないと・・・



fin

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