銀魂

□好き
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言いたいけど

なかなか言えない

言えば今の関係が壊れてしまうかもしれない


好き





俺には好きな奴がいる

好きとかそういうのってよく分かんねぇんだけど、そいつといるとすごく落ち着く



終わりのSHR終了のチャイムが鳴り「起立、礼」と代議の新八の声が教室に響く

俺は机の中のもんを適当にカバンに突っ込み席を立つ

すると幼馴染の土方が俺の方へ来る

「一緒に帰んだろ?」

そう言って微笑みかけてくる土方に俺の目は自然と釘付けになる

「・・・銀時?」

「あ!・・うん、帰る」

「顔、赤ぇぞ?熱でもあんのか?」

心配そうに顔を覗き込んでくる土方に大丈夫、と微笑む

「早く、帰ろーぜ」

そう言い教室を出る俺に続いて土方も教室を出る

他愛ない話をしながら土方と帰る時間が俺は大好きだ



「今日の授業マジだるかったー」

「そだなー・・」

「・・・そういえばさ、土方って好きな子とかいんの?」

いきなりそんな事を言われて土方は少し驚いてる様だ

「!?・・いきなり何で?」

「な、なんとなく・・・?」

「疑問系かよ・・・」

そう言いながらクスクスと笑い出す土方を少し睨む

「笑うな!」

「居るぜ?」

「!?」

その返答を聞き俺はショックだった

やっぱり居るよな、好きな子くらい
悲しいな
でも、土方には幸せになってほしい
だから、応援しないと

「へ、へぇ・・誰?俺、応援するよ?」

声が震えてるのが自分でもわかる

「言わねぇ」

「!!」

ポロ、と俺の頬を何かがつたった
あぁ、涙か
涙の理由なんてすぐ分かった
土方に隠し事されたから、土方が俺を信用してくれてないから
自分でも女々しいと思うが、たかがそのくらいで、と思うが涙は止まらない

「!?銀時?」

土方が泣いてる俺に気付きどした!?と問いかけてくる

あぁ、今この場で好きだと伝えられたら・・・

喉まで出てきてるのに口には出せない

この距離を縮めたい

やろうと思えば今すぐできるのにできない

それは多分土方に拒絶されるのが怖いから

「ひじか、たぁ・・・ッ」

「何だ?」

「・・・ひ・・っく、何でも、ない」


大好きだよ、土方・・・

この気持ち今すぐ伝えたい

でも伝えられない

伝えたら今の関係が壊れそうだから



fin
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