花帰葬

□家族パロA
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真夜中の12時
子供達は眠りにつきやっと大人の時間がやってきた


「そろそろ寝るか…」

クイーンサイズのベッドの上に座っている玄冬が呟く

「もう寝るのかい?」

その隣に座っている私が玄冬に問う

「当たり前だ、明日は六時起きなんだからな」

「ちょっとくらい寝坊しても良いだろう?」

そう簡単に寝かしてたまるものか

「明日はせっかくの休日なんだから…」

そう言い優しく玄冬を押し倒す

「!…黒鷹!?ダメだ、明日は小花と出かける約束を…ー」
暴れる玄冬の唇を自分の唇で塞ぐ

「!!///」

「顔が真っ赤だよ」

「お、お前のせいだろう!//」

林檎の様に顔を真っ赤にさせた玄冬が私を睨みながら言ってくる
そんな姿でさえ愛しいと思ってしまう

「愛しているよ…」

玄冬の耳元でそう囁けば更に顔が赤くなる

「玄冬、…良いかい?」

玄冬は暫く黙っていたが小さく頷いた


じゃ、いただきまーす!
と、もう一度口付けようとした時


ガチャ


寝室のドアが開いた

入ってきたのは…ー
次男の小花

私は急いで玄冬から離れる

玄冬も慌ててベッドの上に座り小花に問う

「こ、小花、どうしたんだ…?」

すると小花は泣きながら玄冬に抱きつく

「お母さーん、怖い夢見た〜…」

「大丈夫だ…、ほら、怖くない怖くない」

そう言いながら玄冬はポンポンと小花の背中を叩く

せっかくの大人の時間が…

そんな事を思いながら私は二人の方に目をやる


すると…ー
なんともにくたらしい笑みを浮かべた小花がこちらを見ている

目が合うと小花は舌を出してきた

(僕の玄冬は誰にも渡さないよ!)

「ー!!」

私があまりにも怒り心頭させ言葉を失っていると玄冬が私に気付き声をかけてきた

「黒鷹?どうしたんだ?」

「そのちびっこが…!!」

「小花がどうしたんだ?」

玄冬が子花に目をやるとまた子花は泣いたフリをしている

「〜!!」

結局その夜は私と玄冬と子花の三人で寝ることになった


大人の時間はまだまだやってこないようだ






fin

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