転生シリーズ(歌王子)

□E
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門をくぐってから校舎へ向かう途中、音也がトイレに行くといって
別れてから1人
校内をうろつく

あれ?なんで誰もいないんだろ??

校内の廊下を教室に向かって歩いているんだけど、その廊下には人っ子一人いない

『さっきまであんなに人がいたのに・・・そして誰もいなくなった、とはまさにこのことだな』

1人でつぶやいてももちろん返事なんてない

てか

『教室どこ?』

いったん外出ようかなあ

「あら?あなたこんなところで何してるの?」
『!?』

急に背後から声がかけられる

音也のときもだけど、背後から急に話しかけるのやめてくれないかな!
気ぃ抜いてるからすごいビックリするんですけど!

『あ・・・月宮林檎』
「先生、でしょ!呼び捨てなんて失礼よ?」
『ご、ごめんなさい・・・』

振り向いた先にいたのは、あの“月宮林檎”だった

すごい!本物!?
テレビで見るより可愛い!!


プンプンと、頬を膨らますその顔は、その辺の女の子より全然可愛かった

「それで?こんなところで何してるの??見たところ、新入生みたいだけど・・・」
『あ、はい。今日からお世話になります!えっと、教室行きたいんですけど、迷子になっちゃったみたいで・・・』
「教室??集合場所は講堂よ?」
『こう、どう??』
「体育館みたいなところね」
『え!?そうなんですか!』
「案内状に書いてあるはずだけど、あなたのには書いてなかったかしらね?」
『・・・・・』

なんだろ、月宮先生、ちょっと怖い

慌ててカバンから案内状を取り出し、もう一度目を通す

『かいて、あります・・・』
「そうよね、案内してあげるわ、一緒に行きましょ!」
『助かります』

ニコッと笑ってそういう月宮先生
うはあ、可愛いー
俺も、こんなアイドルになりたいなあ
別に女装したいわけじゃないけど

「そんな硬くならないでちょうだい?そういえばあなた、名前は?」

隣を歩く月宮先生が俺のほうを見ながら聞いてくる

『は、はい。郁斗です。桜田郁斗』
「んー、じゃあ、ふーちゃんね!」
『ふーちゃん、ですか・・・ちゃんって、女の子みたい・・・』
「あら?いいじゃない?可愛いわよ?」

月宮先生みたいになりたいとは言ったけど
俺は男で
女扱いはあんまり・・・
でも、先生に逆らうのも・・・
先生に嫌われたら、これからの学園生活、お先真っ暗だしな

『そうですか?月宮先生がそう言うなら』
「んんー、月宮先生だなんて!硬すぎるわ!林檎ちゃんでいいわよ!」
『いやでもさっき、呼び捨ては失礼だって・・・』
「ちゃん付けなら呼び捨てじゃないじゃない?ね?呼んでみて??」
『えっと、林檎、ちゃん・・・』
「ふふっ」

にっこりと微笑んで、頭をなでられる
うわ、女の子になでられてる気分

しかし、年上の、しかも先生をちゃん付けとか、俺にとってはすごいハードルが高いんだけど
いや、これも慣れるしかないよな
初対面の相手に心開くことも大事だからな

「さ、ついたわ!受付で名前言って、もらった番号札とおんなじ数字の席に座ってね」
『ありがとうございました』
「いいのよ、そういえばクラスは・・・」
「林檎!なにやってんだ!」
「龍也、んもう、そんな怒鳴らなくってもいいでしょ!」

体育館の入り口から背の高い男の人が林檎ちゃんを怒鳴りつけた

「ごめんなさいね、怒られちゃったからアタシ行くわ」
『はい』

チュッと投げキッスをしてどこかへ行ってしまった

うう、嬉しいけど、周りの視線が・・・
そりゃそうだよ、あの人気現役アイドルの月宮林檎と一緒に登場して
そのうえ、去り際に投げキスされてるなんて

俺が見てる側だったとしても、ガン見するわ

てか、さっき林檎ちゃん呼んだ人って
日向龍也?

ちらっとしか見えなかったけど、めちゃくちゃイケメンだった!!
いいなあ!かっこいいなあ!
俺もあんな大人になりたいなあ!!

それにしても、
龍也先生×林檎ちゃん・・・・
ありかもな
いや、男前受けのほうが好きだし、
林檎ちゃん×龍也先生かな・・・
いいね、俺マイナーのほうが好き

そんなことを考えつつ、受付をすませ
受け取った番号札と同じ番号の席につく

講堂は思っていたよりずっと広かった
ちょっとしたホールみたいな
劇とかミュージカルとか出来そう

舞台前には120人クラスのオーケストラの方々がスタンばってる

出来そう、じゃなくて、出来るんだな

入学式はホントにすごかった

講堂の天井が開いて、人が降ってきて
でもその人、パラシュートしてなくて

ものすごい音とともに壇上に突っ込んだ

完全に死んだと思った
たぶん俺以外のみんなもそう思ったんじゃないかな
いくらさ、二次元の世界だからって、あんな高いところから、パラシュートなしでスカイダイビングなんてして、生きてるわけ・・・

生きてた

しかも超元気だった

まじで、この世界どうなってんの??

「皆さん。入学オメデトね。ミーがこの学園の学園長。シャニ〜ングッ、早乙女イェイ!」

あ、例の若本ボイス
これが、友達の言ってたクレイジーな学園長か
確かにすごい存在感

てか、

『かあさん、こんなのが好きだったんだ・・・』

そのあと、何事もなかったかのようにシャイニング早乙女学園長は
「早乙女学園」学生の心得7か条
もとい、この学園のルールを語った


「アイドルと作曲家がタッグを組んで、最強の国民的アイドルを目指してクダサーイ!!」

作曲家とタッグを組んで、か・・・
まずはパートナーを見つけないといけないのか・・・
音也もアイドル志望だしな、パートナー見つからなかったらどうしよう!

あー、またお腹痛くなってきた!
考えるのやめよう!!

そんなこと考えてるうちに、早乙女学園長の話が終わった


そして入学式も終わり、みんなはぞろぞろと教室へ移動した















E
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