転生シリーズ(歌王子)

□F
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教室について自分の名前が書かれた席に座る
机の横にカバンを引っかけて、先生が来るのをひたすら待つ

うー、俺この時間苦手なんだよなあ

周りはもう友達が出来ているのか、もともと知り合いなのか知らないが
楽しそうにおしゃべりしている

ボッチ、やだ!
誰か話しかけてくれないかなー・・・
って、めっちゃ他力本願だよな

でも無理!!人見知りだから自分から話しかけるなんて絶対無理―!!
音也ー!なんでお前このクラスじゃないんだよー!
その場に居ない音也に八つ当たりする

くそ、現世でゲームやってたなら音也がAクラスだってわかったのに!

もはやこの環境に耐えられない俺
早く先生来てくれ・・・

けど顔には出さない
悟られたくないから
1人でも全然大丈夫だしー
みたいな空気を出しつつ、無意味に携帯を開いてみる

あ、龍にぃからメール来てる

【学校はどうだ?早速へましてないか?さみしくなったらいつでも俺に電話してこいよ】

うわ、龍にぃ超優しい
俺泣きそう!!
てか、今すでにさみしいから電話したいんですけど

でも、ちょっと気持ちが落ち着いた
自分でも頬が緩むのがわかる

ザワザワ

・・・・なんか、教室ザワザワし出したんですけど
女の子とかキャアキャア言ってるし

え?めっちゃ視線感じるの、気のせい?

あ!もしかして、今俺にやけてた!!
やばい!携帯見て1人でニヤケル変態だと思われてるんだ!どうしよ!

き、気づかないフリしよ

トントン

『っ!?』

周りの声をシャットアウトしようとした瞬間
誰かに肩を叩かれた

「君、名前は?」
『・・・・・』

振り向き見上げた先にいたのは、オレンジ色の長い髪をした長身の男
この声、この容姿・・・まさか・・・

「おや?照れているのかな?緊張しなくていい、君を連れ去ったりはしないから」
『・・・・・』

き、キザい・・・

こいつ絶対そうだ

『神宮寺レン・・・』
「ふっ、それは俺の名前じゃないか。俺が聞いているのは君の名前だよハニー」

は、ハニー・・・
男にも使うんだ、へー

『桜田郁斗』
「郁斗か・・・」
『なに』
「いや、俺の可愛いレディたちが、君の噂をしていてね」
『俺の噂?』
「ああ、とても、素敵だって」
『・・・どうも』

そ、そうか
気味が悪いとか言われてたわけじゃなかったんだ
よかった、一安心だ

「(ふーん、クール系か)どうだろう、モテる男同志、これから仲良くしないか?」

ポンッと俺の肩を叩きながら言う神宮寺さん
自分でモテるとか言っちゃうなんて
なんちゅうナルシスト

でも

『・・・光栄です』

いやほんと、まさかうたプリキャラの神宮寺レンに気にいられるなんて
音也と知り合いだから、いずれ話すだろうとは思ってたけど
まさか向こうから来てくれるなんて

「決まりだ。俺のことはレンでいい、これからよろしく、ハニー」
『ちょ、ちょっとまった!』
「んん?」
『友達に、ハニーはおかしいでしょ』
「・・・いいじゃないか、新鮮で。それとも、本当のハニーになりたい?」

俺の頬に指を滑らせ低い声で囁く

うはっ、生諏訪部ボイスっ
腰にくるっ!

『そんなこと言ってない』
「ふっ、つれないな・・・君が男でも、俺は全然かまわないよ」
『俺は構う。離れて』

それは俺も全然構わない!!

けど俺、他人に体触られるの嫌いなんだ
顎の下とかマジでやめてほしい

「いいじゃないか、ね?」
「いいわけねーだろ!!!」

頬を染め、声を張り上げて俺とレンの間に少年が割って入る

こいつ!!
来栖翔!!
ちっさ!かわいい!!

なんでちょっと赤くなってんの?

「邪魔するなよおチビちゃん」
「おチビちゃんっていうな!!ほら!女子が呼んでんだろ!さっさといけよレン!」
「はいはい、じゃ、続きはまた今度ねハニー」
「いいからいけって!!」

なんだか必死にレンのこと追い払ってくれた
ありがたいけど、ちょっと残念だったり・・・

「大丈夫かよ?嫌だったらちゃんと言わねーと、あいつやめねーぞ?」
『そういう経験があるのか』
「は?」
『あ、いやなんでもない』

いかんいかん、完全に今俺、頭ン中18禁だったあっぶねー

レン×翔か・・・んー、ありっちゃありだな

「嫌だって言えねーなら、あんまレンには近づかねーことだな」
『・・・・』

それはあれか?
俺様のレンに気安く近づくなってことか?

「おい」
『あ、ごめん』

いかんいかん、イケメンを目の前にしすぎて頭がフィーバーしてるみたいだ

怒らせたかな?

こんな時は・・・
わ、笑っとけ!!

ジッと来栖君を見つめて、ニコッと笑った
うまく笑えたかどうかはおいといて・・・

「・・・俺様は来栖翔!!お、お前がどうしてもっていうなら、仲良くしてやってもいいっ」
「おーい席付けー!」

来栖君の言葉を遮り、先生が教室に入ってきた

「っ!!」

あ、来栖君スゲー恥ずかしそう
かわいっ

最後まで言い切ることなく、来栖君は顔を真っ赤にさせたまま席に戻っていった

俺が妄想していたばっかりに、会話が続かなくて・・・
なんか悪いことしたなあ

チラッと来栖君のほうを見ると、頭を抱えていた



いやほんと、ごめん、そこまで落ち込むとは思わなかった







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