転生シリーズ(歌王子)

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『ん・・・』
「あ、起きた」
『!?』

目を開けると、そこにはあったのは、秋矢のドアップ

ち、近い近い!!

「キスする前に起きちゃったか」
『なっ!?どいてっ』
「いやだ」
『どけっ!』
「あいてっ」

どくどころか、さらに顔を近づけてきたので、平手をお見舞いしておいた

俺、秋矢には気にせず平手が出来るみたい

でもこんなところ、音也に見られたら幻滅されちゃうかもなあ

そう思いながらベットから起き上がった

「俺、郁斗が人叩いてるところ、初めて見た・・・」
『音也!?』

目を丸くして俺を見ている音也

なっ、なん!?
なんでここに音也が!?
あれ、ここ、俺の部屋だよな

今の、み、見られた

「あれ?もしかして、こういうことするのって俺にだけ??」
『っ・・・』
「はは、そっか。俺、特別なんだ!!」
『音也っ、今のはびっくりしてっつい・・・』

なにか言い訳しなくてはと思い、苦し紛れにそう言ってみた

「俺も殴って郁斗!!」
『はぁ!?』

俺のベットに身を乗り出して、おかしなことを言ってきた

「だって、秋矢だけなんてずるいよ!!」
『どこで競ってんだよお前は』
「だって!」
『・・・はいはい』

引く様子のない音也の頬をペチッとしておいた

「音也お前、とんだドMだな。俺も殴ってやろうか??」
「やだよ。別にMじゃないし、郁斗だけだもん」
「ふーん。つか、大丈夫かお前」
『??』
「そうだよ、急に倒れちゃったからビックリしたよ」
『あ、ああ、そういえば俺・・・』

倒れたんだった

『な、なっちゃん、なんか言ってた??』
「なんかって??」

だってほら、なっちゃんの作ったお菓子食べて倒れたとか・・・
ほんと申し訳ないことしちゃったし

「なんにもいってなかったよなあ?」
「大丈夫ですかー!って言ってたくらい??あと、ここに運んだもの那月だよ!」
『そ、そっか・・・今度あったらお礼言わなきゃな』

あと、ただの貧血だからって言わなきゃ
いや、別に気にしてないなら、余計なこと言わないほうがいいのかな

「てか、お前、起きるの早すぎ」
『??なんで』
「どっちのキスで目覚めるか、かけてたからさ」
『・・・はあ?』
「それなのに、俺がキスする前に起きちまうんだもん。つまんないったらねえよ」

どっちのキスで目覚めるか・・・だと??
どっちのって

ここにいるのは、俺と秋矢と音也

『音也』
「!?ち、ちがうよ!!!俺は、寝こみを襲うのはダメって言ったんだよ!」
「とか言って、俺が先にする!とか言ってたじゃん?」
「!?い、言わないでよ秋矢!!!」
『ほお?』
「で、でもでも!!おれっ!」
「直前でできない!っつって逃げ出したんだよな」
「言わないでってば!!」

真っ赤な顔を両手で覆って恥ずかしがってる音也
可愛いな・・・だけど

出来ないってどういうことだよ!!!

俺とはしたくないってことか!!

いや、俺のこと好きすぎて、恥ずかしくてできないって、深読みするぞ!!
いいのか!!

『音也』
「ご、ごめん郁斗!!怒らないで!!」
「ま、結局どっちも出来なかったんだし、もういいじゃん」
「秋矢が言うからばれちゃったんじゃん!」
『はあ、もういいや、未遂だったんだし』

しらない間にキス奪われてるとか、なんかやだ

「どこいくの?」
『喉乾いたから、水』

ベットからおり、冷蔵庫へ向かう俺の後ろをついてくる音也

今まで顔真っ赤にしてたくせに

「郁斗も起きたし、お前もう帰ったら??」
『そうだよ、もう遅いし、一ノ瀬君も心配してんじゃない?』
「トキヤが心配・・・してるかな・・・」
「おう、きっと音也が戻ってくんのすげー待ってると思うぞ??」
「そ、そうかな!」
『・・・だから、早く帰りな』
「そうだね!そうする!!」

ああ、こうやって俺のも元から離れていくんだな・・・
でも、トキヤになら音也を任せられる
幸せになれよ音也
いや、幸せにしてもらえよな

「おやすみ郁斗!!秋矢も!!」
「おう」
『おやすみ』

嬉しそうに部屋を出ていく音也を見ながら少し寂しい気持ちになったが
相手がトキヤなら仕方がない
暖かく見守るとしよう

「さて、やっと静かになった」
『やっとって』
「お前が寝てる間もあいつずっと喋ってんだよ。小声で」
『小声』
「お前を起こさないように、だろ。愛されてんな」
『・・・・ぉぅ』
「ふんっ、嬉しそうな顔しやがって」
『いいだろ。普通に嬉しいんだから』
「これからトキヤの物になっちまうかもしんねえけどな!」
『・・・・・』

ケラケラ笑う秋矢
なんでそういうこと言うんだよ!!
なんかちょっと切なくなるだろ!!

冷蔵庫に水をしまって、自分のスペースに戻る

「風呂は?先に入るか?後でいい?それとも」
『一緒にははいらない』
「まだなんにもいってないけど」
『言わなくてもわかる』

それとも、の後に続く言葉なんて一つしかないだろ

「なんだよ、期待してるってことか?」
『なんでそうなる』

そりゃ、全く期待してないって言ったら嘘になるけどさ
って、何言ってんだ俺!!

いやだって、秋矢体引き締まってそうだし・・・
無駄な肉とか全然なさそう・・・

同じ男として、参考までに見たいって言うか、うん。そんな感じだよ

着替えをゴソゴソ漁りながら心の中で言い訳してみた

「まあいいや。問答無用。一緒に入るぞ。広いんだし」
『は!?なんで!?』

そういって、上半身に来ていたTシャツをおもむろに脱ぎだす秋矢

うわ!やっぱいい体してるな・・・

「いいから。お前の体、しかっり見とかねえと」
『な、何のためにだよ!』
「何のためって、アイドル志望なんだろ?体作んのも仕事の一つだろうが」
『??』

言っている意味がいまいちわからないんだけど

「俺が見てやるって言ってんの。腹筋とか、声出すのに必要だし、他にもいろいろ」

そういって、俺の腹部を拳でトンっとする

あ、ああそっか、腹式呼吸な
あれって結構つかれるんだよな
そのために俺腹筋とか毎日してるし

なるほど、ボディメイク的な?

『・・・・そういうこと、なら』

一緒に入るのも納得・・・か

「俺が完璧に仕込んでやる。肌の手入れの仕方も教えてやるからな」
『なんでそんなに詳しいんだよ』
「お前の為にいろいろ勉強してきたんだよ。ここで発揮しないでいつ発揮するんだ」

パートナーの為に、だろ
俺の為って
それじゃまるで俺とパートナーになるのが決まってたみたいな感じになるじゃん

「さきはいってっからな」
『おう』

そう言いながら、タオルを持って秋矢は風呂場に消えていった

言いくるめられた感半端ないけど、こうなったらもう、腹をくくるしかない・・・

脱衣所に着替えとタオルもっていき、いそいそと服を脱ぐ

お、男同士で風呂なんてっ
小学生以来かもしれない・・・・

出来上がった男の裸なんて見慣れてないけど、大丈夫かな
つか、俺の体どこも変じゃないよな

男の体、どうなってんのが正しいのかなんてわからない

太っては、いない・・・よな・・・これって標準だよな??
腹筋してるけど、筋肉はあんまりついてない・・・

うわどうしよう、やばい、緊張してきた・・・

ダメ出しとかされんのかな

「何してんだまだかよ」
『い、今行く』

風呂場から秋矢に呼ばれた

行くしかないか・・・

腰にタオルをまいて、一度深呼吸をして、浴室のドアを開けた








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