世界で一番恋してる

□2日
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『寝過ぎたな』

「やってもおたな」





1月2日






初日の出を見た後俺らは寝てしまった

気付いたら時計は二時をまわっていた

「コタツで寝たから背中痛いわぁ」

『腰も痛い』

「あー痛。腹減ったなぁ」

昼ご飯も食べ損ねとるし

『あー餅焼く?それともお雑煮がいい?』

「雑煮がええなぁー、あ、面倒?」

『いや、平気、じゃあ雑煮で』

ん?彼方動く気なくないか?

「あ、俺がやるんかい」

『寒くて出たくない』

そんなもん俺もやわ!

「いやまぁ、たまにはやらなな」

奥さんにやって貰ってるだけの旦那なんて今時あかんで

夫婦生活っちゅーんは、二人協力してやってくもんや!(別に夫婦ちゃうけど)

自分で言うんもなんやけど、その点俺はいい旦那さんになる思うわあ

『早く』

「あ、すまん」

あ?尻に敷かれるタイプやて?

やかましいわっ!!







「うまかった!」

『ご馳走様でした』

「さて、どっか行くか?」

飯も食ったし、ずっと家ん中に居るのもなぁ…

『初詣でもいくか』

「お、ええなぁ!おみくじもひいてな!」

思い立ったら即行動!
身支度をしてダウンを羽織って外に出た
(ちなみに彼方はコート着てくれへんかった…)










やってきたのは近所の神社
小さいながらも結構人が居る

『さむ…』

「手ぇ繋ぐか?」

『バカか』

バカちゃうし、これは結構真面目に本心やし

呆れ顔でサッサと行ってしまう彼方

「あらぁー?蔵リンに彼方さんやないのぉ!!あけましておめでとう!」

「あけおめー、なんやお前らも来てたんかいな」

後ろから急に声をかけられ、誰やと思ったら

『小春に一氏…あけおめ』

「こらぁ彼方!小春の事呼び捨てすんなって中学ん時から言うてるやろ!!」

「ええやないのぉ、彼方さんに名前呼び捨てされるとなんや、気持ちええんやもんー」

「小春っ!浮気か!ちゅーか、どうなんそれ!?」

相変わらずうるさいやつらやなぁ

「はいはいあけおめー、どうでもええから、どっか行けお前ら」

せっかくの初詣をバカップルに邪魔されたくないねん

『二人も初詣か?』

「そうなのよ!初詣デ、ェ、ト!」

あれ?彼方、話す気満々なん!?

「どや、うらやましいやろ!!」

「うらやましないわアホ」

「彼方さんらは二人で来てはるの?」

『ん?あぁ、さっき来たばっかりだけど』

「なんやぁ、じゃあ彼方さんらもデートやないのぉ!!」

「お!お前らやっとくっついたんか!!」
「くっつくってなんやねん」

『一緒に住んでるからって、お前らと一緒にするなよ』

「なんや、てっきり付き会うてるんやと思ってたわ。俺らなんて姫初めまでしたもんなぁー小春!」

「イヤやわユウ君そんなん言わんといてぇ」

「照れるな照れるな、可愛いやっちゃなぁ!」

「聞きたないわっ!?」

ちょっと想像してもうたやろ、気色悪い!


「それにしても蔵リンって見た目いいのに恋人出来ないわよねー」

「やかましいわ」

『性格がアレだからだろ』

「なんでお前が入ってくんねん!ちゅーか、アレってなんや!失礼な!」

俺は顔も性格パーフェクトや!
って、言うとちょっとナルシストみたいやからやめとこ…

『じゃあ好きな女子に告白も出来ないヘタレって事にしとくか?好きなやつの1人や2人はいるんだろ?』

「「2人はおらんやろ」」

「誰がヘタレや!」

し、失礼なやっちゃな!
お前かて恋人おらんやろ!


「そうや、彼方さんは居らんの!好きな人!」

『………よし、お参りしてくるか』

「話そらすん下手すぎやろ!?その反応は、おるんやなぁー!」

え、彼方
好きな人おるん??

「誰々!あたしの知ってる人!?」

『あ、…おみくじの方がいいか…』

「いやいや、聞けや!」

そ、そんな素振り全くなかったやん!
誰や!バイト先の子か?

それとも…

……誰や!

ってなんで俺こんな焦ってんねん!

「なんで言いたないの?あ、もしかして、あたしと同じで男が好きとか!」

『んなわけないだろっ!!最近告白されたんだよ…断ったけど』

ズガーン!

雷に撃たれたような衝撃を受け俺は膝から崩れ落ちた

ま、まぢかいな!彼方に彼女!
さ、先越されたやと!
んなあほな!
うらやましい…

「おい!白石!しっかりせぇ!!」

「彼方の分際で告白断るとか…あり得へん、あり得へん…コイツに先越されんのだけはイヤや!」

『分際ってなんだ、殺すぞてめえ』

バシッと頭をはたかれた

「(ショック受け過ぎよ…やっぱり蔵リンって彼方さんのこと好きなんじゃ…?)あー…ほ、ほな、蔵リンの恋が成就するようにお願いしに行きましょ!ね!」

「せ、せやな、元気だしや白石!神頼みや!」

神頼みて…最終手段やないか

『まあ、お前にもいずれ出来るって。喋らなければ…』

「彼方…どないやねん」

彼方から差し出された手を握って立ち上がる

手、冷た

彼方に手を引かれ賽銭箱の前へ

賽銭箱にお金をほおりこむ

「彼方より先に可愛い恋人出来ますように!」

「まぁこの神社、全然縁結びとかやないんやけどねぇ」

「言うたんな小春」

『神頼みとか、切ないな』

「「(誰のせいやろな)」」

『?』


今年は絶対恋人作ったる!
俺がその気になれば、すぐ出来るってことを証明したるからな!



「五年ぶりに、エクスタシー解禁や!」




















「よっしゃあ!大吉!!待ち人来たる!」
「吉か…」
「あたしも吉やー、でもユウ君と一緒やからええねん!」
「小春ー!!」
「彼方はなんやった?」
『…凶……変態に注意すべし……』
「「「どないやねん」」」


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