世界で一番恋してる

□17日
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『ん・・・』

体が動かない
頭がぼんやりする

ん、誰だ?
閉じた瞳の向こうに人の気配がする

蔵ノ介、か?
昨日寝たの遅かったんだよな・・・
なにしてんだよ、勘弁してくれ

「彼方さん・・・」
『・・・ん?』

至近距離で声が聞こえる
蔵ノ介の声じゃない

この声・・・
どこかできいたことあるような・・・

うっすらと目を開ける

『トキ、ヤ・・・?』

目の前にいたのは一ノ瀬トキヤ
東京帰ったんじゃ?

てか、なんで俺の部屋にいるんだ?

ぼんやりする頭でいろいろ考えてみるが
何が何だかさっぱりわからない

「・・・やっと、1つになれますね」
『・・・は』
「この日をどんなに待ち望んだか・・・」

トキヤ・・・何言ってん

『っ!?』

目の前のトキヤをよく見ると、何も身に着けていない
そのうえ俺の腕は何か紐のようなもので縛られているし
服も着ていない

そんな俺の上に覆いかぶさっているトキヤ

お、おい
どうなってんだ

「彼方・・・」
『んっ・・・!』

名前を呼ばれたと思ったら、トキヤの唇が俺のに重なった

両手を拘束されているため、動けない

中に舌が入ってくる
抵抗できないのをいいことに、それはどんどんと深くなる

「はぁ・・・愛してます。いきますよ、力、抜いていてくださいね」

ようやく解放され、呼吸を整える

なに、考えてんだ・・・

そして、グッと両足を開かされる


ま、まさかっ

目の前のトキヤがニコリと微笑み、もう一度口を塞がれる
その後、下半身に、嫌な感覚・・・

『んんんー!!』

嘘だ
なんでこんな

突然のことに、頭の中はパニック

「大丈夫っです」
『あっ・・・くっ』

なにが大丈夫なんだ
体は勝手に震えるし、苦しくて喋れない

「どうして泣くんですか?あなたが私を求めたのに・・・」
『・・・っ、もと、めた・・・?』
「愛していると、言ってくれたじゃないですか・・・私の傍に、ずっといてくれると」
『そんっな・・・こと・・・』

言った?俺が?
これは俺が望んだこと、なのか

「泣かないでください。わかりますか、今、私たちは1つです」
『あっ、はっ・・・トキ・・ヤっ』
「嬉しい。彼方・・・愛しています」

愛・・・
こんなものが愛なのか?

こんな

一方的な行為が?

「もう、離さない・・・あなたは私だけのものです」
『トキヤ・・・俺』

俺はトキヤの、もの・・・

「安心してください。私も、あなただけのものです」

トキヤは・・・

俺のもの・・・

自分でも知らないうちに、俺はトキヤのことを
愛してっ・・・?

「彼方っ」

蔵ノ介?

「愛してるで」

目の前のトキヤが、なぜが急に蔵ノ介に変わった

なんで

お前まで、何言って・・・

『っ!?』
「いっ!?」
『あっ・・・悪いっ・・・はぁ』
「いや・・・」

どうやら俺は夢を見ていたようだ






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