あなたのお家はどこですか?

□【人に道を訪ねるときは、優しそうな大人の女性を選ぶべし】
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「ここ、どこだ??」





【人に道を訪ねるときは、優しそうな大人の女性を選ぶべし】




キョロキョロと周囲を見渡す俺

さっきまで妹の買い物に付き合っていたはずなのだが…

「あんなの見ちゃったからか??」

妹は今年高校一年になる。
俺は21歳。
車の免許もある

妹のいいアッシーってわけだ

今日も妹の「お兄ちゃんお願いvv」に負け車を出した

可愛いんだから仕方ないだろ
シスコンではない、決して!

そんな妹は今流行りの腐女子と言われるあれである

「お兄ちゃんは絶対受け!」

なんて言っちゃうあたりもうダメだと思う

受けとかわかる俺ももうダメだと思う(仕方ないだろ嫌でもわかってしまうんだから!!)

そう、妹の買い物というのはつまり…

「同人誌ねぇ…」

道の真ん中で立ち尽くし呟く俺

妹に着いていった店でたまたま手に取ってしまったのが、その同人誌というものだった

だって!!普通に漫画かと思ったんだもん!!
あんなに生々しいなんて知らなかったんだもん!

内容にビビって顔を赤らめながら棚に本を戻した瞬間、

目の前が真っ暗になった

立ちくらみだ

やべっ、と思って目を瞑り、しゃがみこんだ

少ししたら収まったので、目を開けたら…


「んで、ここどこだ」


見知らぬ所に立っていました

「時代劇??」

古い町並み

時代劇のドラマのセットみたいだ

歩いてる人も着物だし

男の人も、女の人も、子供も、怪物も……

「か!怪物!?」

なんだ!なんだあれ!?こわっ!なんで虎が服着て歩いてんのっ!?

なに?あのウルトラマンもどきみたいなやつ!?

ゆ、夢だよな…!!!

一人であたふたする俺

なんか、ジロジロ見られてる…

あたりまえか、シャツにジーパンはこの場じゃ浮きまくりだ

「っ………」

逃げます!!!

俺はダッと走り出した

とりあえずこの場から離れよう!そうだ!落ち着け俺!夢なんだから夢なんだから!!
きっと立ちくらみしたまま気ぃ失ってんだよ!
早く起きろよ俺!妹心配するだろ!!!

「ってか!キツっ!なにこの息切れ!夢なのに!」

夢だからと思って全力で走ってるんだけども

夢って、息切れするっけ;;

あ、誰かが現実の俺の口塞いでんだな!!

全く誰だよ!そんなイタズラするのわっ!

「ハァ、ハァ…つ、疲れた。そろそろ止まろうかな…」

と思い気を抜いた

所に石が!!

「ぶふぁっ!!!???いってーーー!!!」

その石を踏んで顔面から地面に激突

「なんで!!夢なのにこんなリアルに痛いんだよ!!死ぬぞコレ!」

鼻折れてねぇか!?

あ、誰かが現実の俺の顔を全力で叩いたんだな!

全く誰だよ!そんなイタズラするのわっ!
意識戻ったらぶっ飛ばす!

擦りむいた鼻をさすりながら、現実の誰かに怒りを向けている俺の前に人の影が

「ん?」

「何してるアルカ」

番傘さしながら酢昆布を加えている少女が俺を覗き込んでいた
はっ恥ずかしいッ!!
道に迷っている上に、全力で転んだなんて、こんな可憐そうな少女には言えない!!

「いや、あの……」

「神楽ちゃん?どうしたの?浮浪者に餌さなんてあげちゃだめよ?」

そんな少女の後ろから優しそうな女の人の声が

「姉御!」

キャー!!やめてっ!なんでそんな綺麗なお姉さんが出てくるのっ!!
なんでこんな惨めな姿見られなきゃいけないのッ!
ムサイおっさんにしろよっ!!!

「あらあら大変!」

「へっ?」

「顔面崩壊じゃない!酷い顔!」

あの、それって傷がってことですよね?

「バナナの皮踏んでコケたアル。ベタベタネ」

いや、違うから、石だから

「うちにいらっしゃい。傷の手当てしてあげます」

そう言って俺に手を差し出す女性

女神かっ!(涙)

あ!そうだ!ついでにっ!

「ありがとう。あの、こんなこと聞くのはあれなんですけど…ここ、何処ですかね?」

「あらあら大変、頭も打ったみたいね。それとも元々バカなのかしら?」

「ここは、江戸の歌舞伎町アルヨ!!」

「江戸?歌舞伎町?」

それから酢昆布チャイナに毒舌お姉さん……

ちょっとまて、なんか、物凄く、

嫌な予感……









次回
【人は見かけで性格とか決めつけちゃダメ!絶対!!】

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