あなたのお家はどこですか?

□【三次元のAVより二次元のエロゲームの方が数倍過激】
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『あっれー?増えてる』






【三次元のアダルトビデオより二次元のエロゲームの方が数倍過激】






ダッシュで屯所を飛び出した俺

やみくもに走ってたどり着いたのはどこかの公園だった

『チッ、また迷子かよ』

ていうか、この土地知らねぇし、目的もないんだから迷子って言わないよね

『はぁあ、どうしよっかなぁ』

とりあえずベンチに座って項垂れてみる

トリップしてきたなんてことは誰にも言えないし、家がないとも言えない

お巡りさんもあてにならないし

『ハァ…どうすんの俺』

どうやったら帰れるの?

あ、そういえば足首のミサンガ!!

急に思い出し着流しの裾をめくって確認する

『…………石増えてる』

確か土方さんときに見たのは一個だったよな?
今は二個

なんで増えてんの?
てかなんで増えるの気持ち悪っ

『よく考えろ俺、二回なんかしたってことだよな、二回、二回…』

二回欠伸?
二回くしゃみ?
いや、二回ジャンプ?
してないよなぁ


『えーと後はぁ…ぁぁぁあっ!!!』

ももももしかして!!

『キッス…かな』

土方さんと総悟君で二回だし…

いやいやいやいや!!ないないないない!!!

てかやだやだやだやだ!

なにこれ、もしかしてキスするたびに石が増えてく的な??
その石が全部揃ったら現代に帰れる的な??

『…………ハハッ、考えすぎだよなぁ』

ちょっと落ち着こうぜ俺、
はい、深呼吸ー

『あ!そうだ!!着物!』

俺二回着替えてる!!
これだよ!これ!!

こっちの世界の服着るたびに石が増えてくんだ!!

そうとわかれば!!

俺はキョロキョロと辺りを見渡した

『おいおっさん』

一人のおっさんが目に入った

「え?なに、お嬢ちゃん」

『服脱げよ』

「へ?」

『いいから脱げよ!!』

「ちょ!ちょっといきなり何すんの!!」

まじでダサダサなおっさん
略してマダオだけど、この際選んでなんていられない
一刻も早く試してみなきゃ!

マダオから服を奪い着てみる

『くさっ!!』

「酷くない!?勝手に奪って着たくせにクサイはないよね!」

どうだ!!
足首の石は!!!

『増えてねぇじゃねぇかぁぁぁぁぁぁ!!!』

「グファッ!?」

なにも変わっていない現実にイラッとした俺はパンツ一丁のマダオを吹っ飛ばした『あーーー!!なんなんだよもう!!やっぱあれか!アレなのか!!』

キスなのか!?キスなのかチクショー!!

ピンポーン

ふと頭に響く正解音

『なにがピンポーンじゃぁぁぁぁぁぁ!!!!』

「フガァッ!?」

ふざっけんな!!なんだ今の!!
当たりですぅ、それが正解ですぅ
ってか!!!!

ピンポーン

『うるせぇぇぇぇぇ!!!』

「ドゥフゥッ!?」

『ハァ、ハァ…クソッ!!』

なんなんだよ!認めねぇ!!
この目で確かめるまでは認めねぇからなっ!!

気付くと目の前にはボロボロのマダオ

『おい!!』

こうなったらマダオで試してやる!!

「ちょっともう勘弁してよぉ!!なに怒ってんのか知らないけど、おじさん関係ないからね!おじさんなんも悪いことしてないからね!!」

ファーストキスもセカンドキスも奪われたんだから、もう守るものは何もない

二回目以降なんて何回したって同じじゃァァァ!!!

『んっ』

「んんんっ!?」

半ばやけくそで噛みつくようにマダオに口付けた

『プハッ!』

「えええ、なんでぇ!?いや、柔らかかったけど!嫌な気は全くしなかったけど!!!…てか惚れちゃいそうなんだけどぉ」

どうだ!!!石は!!!

『ふ、増えてる』

やっぱり正しかったんだ…

地面に崩れ落ちる俺

「お、おい、大丈夫か??」

マダオが心配する声がする

『な………げだ、』

「え?え、なに??」

『なんのエロゲだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

「またぁ!?グハッ」

なにこの三流エロゲの設定みたいなの!!

今時こんなん流行んねぇよ!

俺ならやらないね、こんなクソゲー!!

だいたいなんで男ッ!
普通女の子にキスしたらでしょぉが!
普通男はカウントなしでしょうが!!

エロゲっつってもあれか??
妹がやってるようなボーイズラブの方のエロゲか!
鬼畜眼鏡か!ミラクルノートンか!!

俺この先どうすんのっ!!
キス魔になれってか!ふざけんな!!
純情キャラで行こうって最初に決めたじゃん!
無理じゃんもう!
いつまでたっても帰れねぇじゃん!!

『神様死ねぇぇぇぇぇ!』

と叫んだら少しスッとした

と同時に我にかえる

『どうしよ、あと石何個で帰れるの俺』
とりあえず地面に伸びているマダオにもっかい

『ん』

「!?幸せ…」

キスしてみる

『増えてねぇし』

どういうことだ?

もしかして、一人一回づつ??

『おっさんはもう用無しだな』

マダオの服を脱ぎ着流しを羽織る

太陽も完全に沈んでしまった

『どうしよう誰か…そうだ銀さん!』

思い立ったら即行動!

俺は勘を頼りに万事屋へ向かった











次回
【やーさんとか顔の怖い人はちょっと優しくしただけで普通の人の五割増しいい人に見える】

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