あなたのお家はどこですか?

□【酔ってなくても酔ったふりして上司のヅラ取れ】
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【酔ってなくても酔ったふりして上司のヅラ取れ】








秋也さんに保護?されてからもう2週間もたった

ここの生活にも慣れてきたし、(着物も一人で着れるようになりました)お菓子作りもだいぶ上達した

え?石は増えたかって?

………………まったく増えてません…

いや、だって秋也さんが
「まだいいだろ」
って

なにがまだいいんだよ!!
俺は一刻も早く帰りたいんだっての!!

っていったら

「俺の言うことが聞けねぇのか、しょうがねえな」

つって真っっっっ黒な笑顔で手錠なんて出してきたんだぜ?

従うしかないよね?
しょうがないよね?
俺は悪くないよね?

「おいっ」

はぁぁ、なんかやたらコキ使われてるし…
ホントにいつ帰れるんだか

「おい名前」

まさか一生このままなんてことないよな??

「聞いてんのか」

だいたいあっちの世界の俺はどういう状態なんだろ?
仮死状態?それとも…

「ほう、この俺を無視するとはいい度胸してるじゃねぇか」

『ひゃあっ!?』

急に耳元で低い声が響いた

『な、秋也さん!急になんですか、ビックリした…』

「(聞こえてなかったのか?)…配達行ってこい」

『あ、配達ですね。えー、と場所は?』

「真選組」

『げっ、まぢですか』

「まぢだ」

真選組
ここはこの世界で一番危険な場所なんだ

もう三回くらい配達には行ってるんだけど

毎回襲われるんだよ
総悟くんに…

『あの、パスしたいんですけど…』

「ダメだ」

『いやでも…』

「…今ここで俺に喰われるのとどっちがいい。ちなみに優しくはしてやらねぇぞ」

『行ってきます!!』

用意してあった重箱をひっ掴み慌てて原付に跨がった

この世界に来て1つだけ心に決めたことがある

それは

『貞操だけはなんとしてでも守り抜く!!』

キスは帰るために必要だからしょうがないけど、男に掘られるなんでゴメンだ!!

いや、偏見があるわけじゃないけど、うん、恋愛は自由だし
でも、自分は別!!

ところで、この重箱結構重かったけどなにはいってんだろ??

原付をとばすこと数十分
街の地図も頭に叩き込んであるので、迷うこともなく真選組屯所についた

『あれ??』

原付を入り口の脇に停めて中を覗く

『あれぇ??』

誰もいない

いつもは入り口付近でジミーがフンフン言いながらバドミントンラケット振ってるんだけど

『勝手に入っちゃいますよー』

門を潜り敷地内に足を踏み入れる俺

まじでシンとしてる

『え?なんで誰もいないの?』

キョロキョロしながら敷地内を散策していると

『お?なんかはってある?』

扉に一枚の貼り紙が
そこには

"花見に行ってきます、ご用の方は公園まで"

………………

『花見っ!?』

花見って!えええ!
いやたしかに、桜も満開だし花見をするには天気も最高だけど!

『屯所空っぽにしちゃだめでしょ!!なんかあったらどーすんの!』

警察がんな遊んでていいのかよ!!

てか

『公園てどこの!?ざっくり過ぎるわ!!』

なにこの世界!ゆるい!!



『もしかしてこの重箱の中身って…』

お花見用の弁当か!

はぁ

『公園、探すか………………』

とりあえず花見スポットになってる公園行ってみようかな











探し回ることこれまた数十分

「叩いてかぶってジャンケンポン大会ぃぃぃぃぃぃ!!」

あ、総悟くんの声だ

やっと見つけたよ

公園の入り口に原付を停めて声の方へ向かう

宴会客の間をぬって(酔っ払いに絡まれながら)ようやく目的地へ

『これなにしてんの??』

目の前に広がる異様な光景に俺は眉を潜めた

だって全員土下座って
異様でしょ??

「あら!名前さん!」

「なにっ!?」

『お妙ちゃんに銀さん?なんだ万事屋も一緒だったんだ』

「名前…何しに来た」

チッと舌打ち付きで土方さんにガンをとばされた

『なにって、そんな言い方しなくても…配達、これ、頼んでたんでしょ、』

「あ?あぁ、たしか近藤さんがそんなこと言ってたな」

『その近藤さん、のびてるけど…一体何が?』

頭にでっかいタンコブを作って地面にのびている近藤さん

「陣取り勝負でさぁ、そんなことより名前さんも俺らと一緒に飲みやしょうよ」

一升瓶片手に俺の肩を組む総悟くん
あれ?君未成年じゃなかったか?

「あぁ、せっかく来たんだ、飲んでけよ」

『………………土方さんがそういうなら』

いっかな、少しくらい

「ちょっとまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

『!?銀さん!!』

いきなり銀さんに背後から飛び付かれた

「陣取り勝負してたんだよな、だったらこの勝負、買ったら花見の権利+妙+真選組ソーセージ+名前君でどうだ!!!」

『へ?俺?』

「なに勝手なこと抜かしてやがる!名前は関係ねぇだろ!!」

「関係ありますー!銀さんだって名前君と花見したいもーん」

んちょ、頬擦りとかすんのやめてよ銀さん

「なっ!テメッ!名前から離れやがれ!!」

「あーもしかしてあれか?天下の真選組副長ともあろうお方が、俺らに負けて名前君取られるのが怖いと?」

「んなっ!ふざけんなよ誰がっ!!」

「いいじゃねぇですかぃ土方さん、勝てばいいだけの話でさぁ」

「上等だコラ!やってやろうじゃねぇか!!」

………………あれ?俺なんかまた厄介事に巻き込まれた感じ?

「えっとじゃあそういうことで、勝った方は花見の権利+姉上+ソーセージ+名前さんってことでいいですかね…」

『あ、新八君にジミー…(居たんだ)えっと俺…何してれば?』

「あ、名前さんは賞品なんで座っててください!」

『んー』

あ、秋也さんになんも行ってきてないけど、まぁいっか

「それじゃあ二回戦始めますけど、最低限のルールは守ってくださっ」

「おい!もう始まってんぞ!」

新八君が振り返った先では総悟くんと神楽ちゃんがもう始めていた

あれ?叩いてかぶってジャンケンポンなんじゃなかったの?

「おーい名前君、酌してくれよー酌」

『うわぁ!!』

急に銀さんに腕を引かれてブルーシートに膝をついた

地味に痛いんだけど…

てか酒臭っ

いつの間にこんなに飲んでたんだよ

「テメッ!ふざけんな!名前はまだ真選組のもんだ!」

『お?』

次は土方さんに腕を引かれ腕の中へ

こっちもそうとう飲んでるな…
いつもより瞳孔の開きが凄い

「違いますー名前君は銀さんのもんですー!てことでこっちおいで名前君」

「テメェのもんなわけねぇだろ!!名前こっちこい!天パがうつる!名前の艶々な髪が天パんなったらどう責任とるんだ!」

「うつるか!俺の天パはウイルスかっ!そっちこそ名前君のいい香りがマヨネーズ臭くなっちまうだろ!!つかさっきからなに呼び捨てしてんの!!」

俺は銀さんと土方さんの間を行ったり来たり

つか二人とも酒臭い…

俺ダメなんだよ酒

いや好きなんだけどね??

大好きなんだけど、

ほんと弱くて…匂いだけでも体がフワァって…

気持ち悪い………

「しょーがない、最後の対決で決めるしかない…銀さっ、ってオィィィ!アンタらなにやってんだぁぁぁ!!名前さん大丈夫なんですかそれ!」

「「あ?」」

『ん、へーき…』

たぶん

「全然平気じゃ無さそうなんですけど…一体なにしたんですか!!」

「テメェのせいだぞ銀髪!!」

「何でだよ!!お前のマヨネーズ臭に酔ったんだよ名前君は!」

「あぁあぁ、二人とも相当酔ってますね…どうすんだよ決着つけれねぇじゃねぇか!」

『いいじゃんもう、皆で飲もうよぉ』

「大丈夫だ名前君、銀さんまだやれる」

「俺だって出来らァ、ふざっけんなよ」

「よーし、白黒つけようじゃねぇか、どっちが名前君にふさわしいのかよぉ!」

「上等だコラァ!」

「あれ?花見の権利は?」

なにやら二人は決着をつけるみたい

なんの決着かは頭フラフラでよくわかんなかったけど

あ、花見の権利か

『がんばれー』

「おうよ!任せろ名前君!!」

「今のは俺にいったんだよ!勘違いしてんじゃねえぞ!」

「お前こそ勘違いしてんじゃねぇよ!な!名前君!」

そんなことよりお弁当食べようお弁当

「名前さん、聞いてませんね」

『新八君にジミーも、食べない?』

「「え?」」

後ろで銀さんと土方さんの声が聞こえる

それを無視して新八君とジミーに玉子焼きを差し出した

「いただくわ」

『あ、お妙ちゃん』

俺の箸からパクっと玉子焼きを食べるお妙ちゃん

「あら美味しい!今度私にも作り方教えてくださいな」

『(作ったのは秋也さんだけど…)うん、いいよ』

「ほら新ちゃんもこっちに来ていただきなさい、美味しいわよ」

「あぁ、ま、いっか」

「そうだね」

チラッと横目で銀さん達を見やりこちらに来る新八君とジミー

『はい新八君あーん』

「え!?いいですよそんなっ!!」

ブルーシートにみんなで座りお花見

あっちの世界でもしたなぁお花見

妹と親友と三人だったけど…

こんなに大勢でするのは初めてだ

…アイツら今ごろにどうしてんのかな

また花見できるかな

頭に二人を思い浮かべながら俺は久しぶりの楽しいお花見を満喫したのだった














余りはすっかり暗くなったので、一同は解散することに

重箱の中身も綺麗になくなった

原付に跨がり店に戻る途中

『銀さんに、土方さん?』

の、屍?を見つけた

『何でこんなとこでこんな…』

自販機大好きなのか?


『………………見なかったことにしよう』

こうして俺は再び店に戻るため足を進めた

あ、今日もまた誰ともキスしてない

…まぁいっか楽しかったし














次回
【猫好きに悪い奴はいない!まあそれが好感度上げるための嘘だったら元も子もないけど】

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