あなたのお家はどこですか?

□【猫好きに悪い奴はいない!まあそれが好感度上げるための嘘だったら元も子もないけど】
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【猫好きに悪い奴はいない!まあそれが好感度上げるための嘘だったら元も子もないけど】







『よし!誰もいない!』

今日は久しぶりの休み
俺はとある空き地に来ていた

この場所は配達の途中に見つけた

今は使われていないだろう古い家に、雑草が伸び放題の庭

え?なんで休みの日にわざわざこんなところに来てるんだって??

それは……

「にゃー」
「にゃーん」

『おほ!!キタキタ!!にゃんこー!!!』

家の床下から数匹の子猫が姿を現した

そう!ここは猫屋敷なのだ!
俺のオアシス決定だ!

配達の帰りに見つけた猫を追っかけて行ったらここに辿り着いた

秋也さんに帰りが遅いって怒られてまでついて行って良かった!

もうお気付きの方もいると思うが
そう、俺は大の猫好きなのです
飼うなら絶対猫!
犬も好きだけど、断然猫派

あの自由気儘な感じとか、ちょっと気取ってるところとか、
かと思えばスリスリ甘えてくるツンデレ具合とかもう、たまらない!!

『鰹節、食べるかなー??』

こっちにトリップして来た時にポケットに入っていたパックの鰹節

なんでそんなもの入ってたのかって?

ばか!鰹節携帯するのは常識でしょう!!
こうやって急に野良猫に出会った時に仲良くなれるようにだよ!!

妹にはそこまでいくと気持ち悪いって言われたけど…


「にゃー」
「にゃーあ」
「にゃあん」

『うはー!!いっぱいキタ!』

この子達、みんな兄弟かな??
真っ白にミケに黒に、アメショみたいな子もいるじゃないか!

『1、2、3、、、、6匹もいるー!今度猫缶持ってくるかなー』

2匹くらいもっていきたいなー…秋也さん猫すきかな?

「すまないが、俺にもその鰹節をわけてくれないか」

『え?』

幸せそうに猫達を眺めていた俺の背後から急に現れたその人

ロン毛だ…男?

「ここの猫達に目を付けるとは、お主なかなか出来るな」

『え、あ、そうなん、ですか…』

な、なんだこの人、すごい怪しい

だってなんか

息が荒い

「鰹節、貰っていいか」

『!あ、はい、どうぞ』

俺は男に鰹節を1袋手渡した

「ほーら、おいでおいでー」

『!?』

男が鰹節を片手に、猫達に近づいた途端、猫達は一斉に逃げ出した

1匹に至っては、男の顔に一太刀浴びせていった

おい!なんてことすんだ!俺のオアシスが!
今日1日ここで過ごす予定だったのに!!

「肉球さわっちゃったー」

『いや、触ったっていうか…てか、顔、大変な事になってますけど…』

思いっきり引っかかれてるじゃん
大丈夫かこの人…

「何を言うか!!顔の傷は男の勲章と言うだろう!見ろ!これぞまさにキャプテン!」

『……猫につけられるのはどうかと……』

なんだキャプテンって

まぁ、いいか、本人ご満悦みたいだし

あぁあー、この人のせいで猫行っちゃったよー

猫が居なくなった今、もうこんなところに用はない

そう思い、俺は立ち上がった

「ここであったのもなにかの縁。猫好き同士語り合わないか」

『え?』

「侍は縁を大事にしてこそ真の侍だ」

『いや、でも…』

俺侍じゃないし

この人の名前も知らないし

ほら、知らない長髪にはついてっちゃダメって昔お母さんに……

「申し遅れた、俺は桂小太郎と申す」

『え、ヅラ?』

何この人、急にコンプレックス告白して来たんだけど!?
自虐ネタで仲良くなろうとかそういう作戦なのか!!

つか、この長髪ヅラなんだ…
最近のヅラは良く出来てr…

「ヅラじゃない!桂だ!」

『うぇっ!?』

急に声を張り上げた男
え、ヅラじゃない?

『あ、桂、さん?』

「そうだ、桂小太郎だ」

あー、なるほど!桂さんね!名字か!納得!!

『すみません桂さん』

「いや、まぁ、お主になら、間違われても…」

え、何だ。
急にモジモジしだしたんだけど……

なんか怖いな

『あー、俺仕事中だったんでした!』

「なんと!今日は休息日だったはずだが!?」

『え?』

「あ、いや……ははは」

『はははは』

…………………………………………………………………………

あれ、これってもしかしてストーカーってやつ??
俺のスケジュール全部把握されちゃってる感じ??

「名前を教えてもらえないか」

『え、名前?俺の?』

「ああ」

名前教えちゃったらなんか色々アウトな気がするんだけど

お、教えたくないなあ


え?桂さん?なんか懐ゴソゴソしてるんだけど
も、もしかしてナイフ!?
教えなかったら刺す気なんじゃ!!

『名字名前でででです!!!』

「名前君か」

こ、殺さないで!!

恐る恐る桂さんの手元を見る

「ふむふむぅ、メモっておかねばな」

紙にメモしてるだけ、か

な、なんだよ、脅かすなよー

「して、名前君、この後暇だろうか」

『え、暇っていうか…』

「暇だな!」

『あ、じゃあ、はい、暇です』

有無を言わさない桂さんの迫力に俺は負けた

あんまり関わりたくないというのが本年なのだけれど、

もしこの人が銀魂のメインキャラだったら




この人とキスしなきゃいけないのか



「そんなに見つめてどうした」

『え!?あ、すみません…』

「そうか、ふむ、名前の気持ちはよくわかった」

え、わかったって、何が?
ていうか、呼び捨てだし

「照れなくともいい。誰しも一目惚れなどということはよくあるものだ」

『ん?』

「まぁ、普通の人ならば少し警戒するかもしれんが、俺は大丈夫だ、むしろ俺も一目惚れだからな、ははは!」

『んん?』

この人は何を言ってるんだ?
一目惚れ?誰が?

「そうだな、ではまず、お互いを知るために文通から始めようではないか!」

そう言って再び懐から紙と筆を取り出す桂さん

「すまないが、ここに住所を書いてくれないか」

『え、あ、住所?』

「こちらの住所は教えられないんだ」

『…じゃあ俺はどうやって届けたら…』

「それは心配しなくていい!俺が毎日家まで取りに行くからな!!」

え、やだ、この人完全にストーカーさんじゃん

『あ、あー、俺の住所はえっと…あ!そうだ!万事屋!歌舞伎町にある万事屋ってところです!!』

ごめん銀さん!

「万事屋??名前、お主銀時のところに住んでいるのか!?」

『え!銀さんと知り合いなんですか!?』

ますます銀魂キャラの可能性が高くなってきたな

「まさか、銀時と一つ屋根の下でもはや、にゃんにゃん…」

『にゃ、にゃんにゃんってなんですか!?古ぅ!してないですよ!』

「よかった、まだ無事か。そうか、銀時のところに…あいつは油断のならん男だな、さすが俺の戦友」

『戦、友??』

なんか戦ってたのか?
銀魂の過去の話なんて読んだことないから全くわからない

「?なんだ、銀時から聞いてないのか?俺たちは…」

「おいヅラー、こんなところでなに女口説いてんだー、場所考えろ場所をよー」

『あ、銀さん』

「お、女かと思ったら名前君か、大丈夫か?髪抜けてきてねえ?」

『え?』

「ヅラじゃない!桂だ!!」

と、友達なんだよな、この二人…

あ、そういえば戦いって…

『なぁ、桂さん、さっきの続き…』

「ん?ああ、俺たちは昔…」

「ヅラ!!」

「さっきからなんだ銀時!!」
「あー、あれだ、あいつらにテメー連れてこいって依頼されてんだよ」

「あいつら?」

「かまっこクラブのバケモン…」

ドゴーン!!

『!?』

バケモンと言った直後、銀さんが吹っ飛んだ

なっ、なにごと!?なにがおこったんだ!?テロか!!!

「誰がバケモンだゴルァ!!」

砂埃を巻き上げそこに君臨していたのは…

大柄の

男?女?

オカマ?

『何類…?』

「人類だ!!!」

『ひぃっ!?』

めちゃめちゃすごまれた!!!!
こここ怖い!!!

「いっつつつつ、いきなりなにしやがるコノヤロー!」

『銀さん!!』

頭を押さえながら、瓦礫から生還した銀さん

あんだけとんで、よく無事だな
俺なら一発K.O.ですよ

「ったく、人1人探すのに一体何時間かかってんのよ」

「知るかボケ!!人っつってもお前、神出鬼没で奇想天外な大バカ野郎が行きそうな場所なんて想像つくか!」

「大バカ野郎じゃない、桂だ!!」

「まぁいいわ、ヅラ子も見つかった事だし。あらそういえばこちらの子…」

『え』

ずいっと顔を近づけられた

顔、でか

「男の子かしら?」

『は、はい、』

「あらあ!!いいじゃないいいじゃない!!」

『え…』

なんだ、何がいいんだ

「西郷、お主まさか…」

「丁度人手が足りなかったのよー、助かるわ!」

『??????』

人手が足りない?
助かる?

かまっこクラブ?

ま、まさか

「今夜だけでいいわ!うちで働いてくれないかしらぁ!!給料弾むから!」

『…オカマバーで…ですか』

出来ることなら全力でお断りしたいんだが…

さっきの銀さんぶっ飛ばしがトラウマになっている

「おいおいおいこらオカマ!!名前君をそっちの世界に引き込むんじゃねぇよ!!」

「あらあ、この子顔可愛いから女装似合うと思うわよぉ?銀さんあんた見たくない?」

「……」

『え』

ジッと銀さんに見つめられる俺

「名前君、1日くらいいいんじゃねぇの?」

銀さんさっきと言ってること180度違うじゃん!!

「大丈夫大丈夫!銀さんも客としてついてってやるから!!な!!」

「俺もついて行ってやろう」

「お前は働くんだよヅラ子!!」

「じゃあ、早速行きましょうか!!名前は?」

『あ、名前です』

「名前ちゃんね!さ、行くわよ!」

俺、まだやるって言ってないんだけど…

なんか、話まとまっちゃってるし

え?まぢで女装?

……ええ!?

えらいことになった…

どうなっちゃうの俺!

















次回
【オカマバーのオカマって変な名前の人多いよね?なんで?ネタに出来るからなのか?】

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