あなたのお家はどこですか?

□【オカマバーのオカマって変な名前の人多いよね?なんで?ネタに出来るからなのか?】
1ページ/1ページ





『いやあの、マジでやるんですか・・・』





【オカマバーのオカマって変な名前の人多いよね?なんで?ネタに出来るからなのか?】







大柄のオカマさん(名前は西郷さんというらしい)に連れられてやってきたのは、かまっ娘倶楽部

うう、なんていかにもな店なんだ・・・

でもちょっと、オカマバーって興味あったんだよねえ
って当然だけど、客として興味があっただけだからね!!

まさか自分がオカマバーで働く日が来るとは

「さ、名前ちゃん!こっちでおめかししましょうねえ〜」

なんだか顎に特徴のあるオカマさん(アゴ美と名付けよう)にバックヤードに連れていかれる

まじかよまじかよ!ホントに女装とかするの!?まさか化粧まで!?

チラリと店内の椅子に座っている銀さんに助けを求める

「いってらっしゃーい」

呑気に手なんて振りやがって!他人事だと思ってこのやろー!!

銀さんに見送られ、化粧台の前に座らされる

「あらー、ホント綺麗な顔してるわねえー!ママー、これじゃ私の客とられちゃうわー!」

アゴ美とバックヤードにいたほかのオカマさんたちが、前髪をピンであげた俺を見てキャッキャと騒ぐ

女子高ってこんな気分なのかな

とか現実逃避してみたが、俺の目に映るのは可愛いミニスカ女子高生ではなく、化け物みたいなオカマたち

・・・俺はそっと目を閉じた

現実見てたら涙でそうになったからね

そんな俺のことなど気にも留めず、アゴ美は俺の顔に化粧を施していく

ファンデーションらしきものが顔に塗られていく感覚
瞼にかかる圧迫感
イテテ、まつ毛引っ張るな!
あぁああ、口にも何かべったりしたものが・・・

女子って毎日こんなことしてんのか・・・すごいなあ

そんなこんなで顔を弄られ続け数十分

「キャー!!可愛い!!ちょっと見てママー!!」

「あらホント!いいじゃない!!」

西郷さんの声とともに、俺も恐る恐る閉じていた目を開けてみた

俺の目に飛び込んできたのは・・・

『誰、これ・・・』

え?マジ誰この女の人!
鏡?これ鏡??女の人が向かい合って座ってるんじゃなくて?

自分で言うのもなんだけど、俺超可愛いんですけど!!

俺この子とだったら付き合える!!全然いける!!

周りのオカマさんたちのようになるのを想像していたから、予想外の仕上がりにかなり驚いた

目の周りはアイラインとか言われてるペンでくっきりだし

ちょっと重いけどつけまつげもいい感じ!

肌とか白くて、頬っぺたはほんのりピンク色で

唇なんかプルプルなんですけどー!!

ついでに髪も弄られたみたいで、クルクルほわほわしてる

まじで可愛い!こんなこと付き合いたい!
って、自分なんだけど

女装、ちょっと楽しいかも

「なによー、嬉しそうな顔しちゃって!名前ちゃん意外とノリノリじゃなあーい!」

「あとは、この可愛い着物着れば完成よー!!」

と言われ視線をうつせば、ピンクのかわいらしい着物が目に入る

うそ、あれ着るの・・・

あんなん着たら俺もう

『完全に女子じゃん・・・』

「そうね!さ、お着換えしましょー!」

そしてあれよあれよという間に着ていたものを脱がされ、ピンクの着物を着つけられていた

やばい、足踏み入れちゃったかも・・・







場面かわって店内






「ヅラーお前、かなり馴染んでんなー」

名前君が化け物どもに連れていかれて数分でヅラが店内に戻ってきた

ばっちり化粧して、女物の着物着て
かなり手慣れちゃってるじゃないの

「何事にもベストを尽くすのが俺のモットーだ」

「聞いてませーん。で、名前君は」

「ああ、西郷達にかなり遊ばれていたようだぞ」

「まじでか。名前君は下手に化粧とかしないほうが可愛いと思うんだよなー俺」

「同感だ」

「つっても、あいつらの化け物メイクだもんな・・・期待はできねえか」

ハードルは低くだ!変に期待してがっかりすんのいやだかんな

「それにしてもちょっと時間かかりすぎじゃねえかー?ちょっと見て来いよヅラー」

「ヅラじゃないヅラ子だ」

めちゃくちゃどうでもいい突っ込みを残してヅラがバックヤードへ向かっていったその時

「ほら名前ちゃん!恥ずかしがってないで!もうすぐお店あく時間なのよ!」

『やっぱ無理!なんか恥ずかしい!!』

「今更なにいってるのよ!大丈夫!可愛いわよ!!」

『いやでもっ、知り合いに見せるのはちょっと・・・!』

「んもう!強情なんだから!ちょっと銀さん!手伝ってちょうだい!」

カーテンの向こうでなにやらグダグダやっている

アゴの奴は可愛いって言ってるが、当の本人のあの嫌がり具合見てるとやっぱり期待できねえな

(あいつらの可愛いは信用できねえ)

「名前君よー、ここまで来たら腹くくりなさいよ。ほら、嫌がってないで銀さんに見せてごらん。どんなに変でも極力笑わないから」

『極力ってなんだよ!笑う気満々じゃん』

「大丈夫大丈夫。ほらほら」

『いやあー!腕引っ張るな痛い!!ってうわ!?』

いつまでたっても出てくる気配のない名前君にしびれを切らし少し強引にカーテンの向こうの腕を引っ張った

「出し惜しみするんじゃありません!可愛いって言ってあげるから!お世辞だけど」

『お世辞かよ!!・・・っ』


目の前に現れた名前君は、俺の想像をいい意味で裏切った

長い睫に縁どられた目
そんなに俺に見せるのが嫌だったのか、その瞳は少し潤んでいる

それから白い肌にピンクの頬
鎖骨も綺麗に浮き出てるし、キスマークとかつけてやりたい

唇はつやつやプルプルでしゃぶりつきたい衝動に駆られた

髪もふわふわクルクルでいい匂いがする

これはやばいでしょ

「・・・・かっ・・・かわいい」

『お世辞はいいっつーの!』


つーか、どちら様ですか

「ああ。前言ってた妹さん?」

『あ?何言ってんの』

顔を真っ赤にさせてもじもじしている名前君

うそでしょ?これどこからどう見ても女の子でしょ

つうかそこらへんの女子より全然かわいいんじゃないの?

『や、やっぱへんだよな!おかしいよなこんなの!!さっき可愛いなんて思った自分を思いっきり殴ってやりたい気分です!!』

「んもう!銀さんも!ほら、名前君の目見てちゃんと言ってあげなさいよお!」

「な!何言っちゃってんだアゴてめえ!それは恋人同士がするあれだろ!ふざけんな!」

「せめてアゴ美っていいなさいよ!」

いやいやいやいや、まてまてまて!
名前君の目見つめて?手とか握って?そんで、可愛いよ名前君・・・ってか

それってあれだろ、満点の星の下でやるやつだろ

べ、別にー言いたくないわけじゃないけどー
名前君がどーうしてもって言うなら?銀さん全然言ってあげるよー
ほら、万事屋だし?

・・・・・って、変に意識しちゃって冗談もいえねええええ!!

相変わらず顔を真っ赤にさせた名前君
俺の「可愛い」を期待しているのか、チラチラと視線を送ってくる

「女子ですかー!?ああああーもう!名前君!否!名前ちゃんっ!かわっ・・・」

「おお!見違えたぞ名前!俺には劣るかもしれんが、なかなか可愛いじゃないか!なるほど、ライバルにして想い人・・・なかなか障害が多いな・・いや、ハードルが高ければ高いほど恋は燃え上がるものらしい。さあ、名前君、どちらがこの店のトップになれるか勝負といこうじゃないか!そして結果がでたその時、俺たちの愛は最高潮にッぶっ!!」

「なあに長々と語ってんだヅラてめえ!キモイんですけどおおお!手なんて取り合っちゃっていやらしいー!!」

俺のセリフを遮って横から現れたヅラが名前君の手を取り興奮気味に語りだす
そんなヅラに横から蹴りをいれる

んだよ!俺がせっかく腹をくくって・・・

『キモっ!?やっぱキモイんだな!銀さんのばかー!!ばーか!』

「ちょ!?名前君!?ちがっ!!」

うわーんとわざとらしく声をあげ、バックヤードにかけていく名前

「最低だな銀時」

「ほんとよ、あんなかわいい子泣かして」

「今時流行らないわよ、好きな子いじめて振り向かせようなんて」

「黙れえええオカマどもおおおお!」

さげすむような目で俺を見てくるオカマ達

今のキモイはヅラに言ったんだよ!

俺だって好きな子いじめて優越感に浸ってた少年時代はもう終わらせたんだよ!

「いつまでくっちゃべってんの!店開けるわよ!」

「ハーイママ」

ギャーギャー言い合う俺たちを止めたのは西郷

その後ろに隠れるように名前君が再び店内にやってきた

「男だったら腹くくれ」
『!?・・・は、はい・・・』

裏で何か言われたのか、西郷にびくびくしている名前君

ホントに大丈夫なのかこれ・・・




まあ、もし名前君になにかあっても、銀さんが守ってあげるけどね








次回
【当店おさわり禁止です。手もダメ!?グラスもらうときにたまたま触れ合っちゃう指!それもだめ!?】

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ