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□恋華学園 体育祭編
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場所は恋華学園、グラウンド。
憎らしいほどに晴れ渡った空を見上げて、咲彦くんが大声で叫びました。
「俺の嫌いな学校行事、ベスト1位に輝く体育祭がやって来ました!」
「頑張ろうね、咲彦くん。」
倫ちゃんの言葉に、咲彦くんはぎゅっと拳を握り締めて、力強く言いました。
「勿論!頑張るよ!!大石先生に捕まらないように!」
「それ、ちょっと違うんじゃあ…。」
突っ込んだ方がいいのか迷いながら、晋介くんが言いました。
恋歌学園 体育祭
体育祭運営本部、テント内
「残念だねぇ。」
ククと喉で笑いながら、白衣を纏った大石先生は腕を組みながら言いました。
その横で、永倉先生が嫌そうに顔をしかめながら言います。
「大石。お前、その薄笑いやめてくれない?気持ち悪いんだけど。」
しかし、大石先生は当然のように話を聞いていません。
「あぁ、永倉先生。だって、残念じゃないですか。せっかくの体育祭なのに、誰も怪我しないんですよ。とどめを刺す絶好のチャンスなのに。その機会が全くない。」
「お前、何言ってるんだ!」
当然のように突っ込みを入れる永倉先生ですが、
「もうそろそろ怪我人が出てきてもいい頃なんだけどなぁ…。」
やはり、大石先生は全く話を聞いていません。
大石先生と会話が成立するのは極稀なのです(おい)。
「大石くん、少しいいかな?」
そこへ中村先生がやって来ました。
「なんです?中村先生。」
大石先生は中村先生を振り返って聞きました。
「非常に言い難いことなんだが、生徒が怪我をしてな。」
それはこの人に言ってはいけないことですよ?中村先生。(死)
中村先生の言葉を聞いて、永倉先生が大石先生の横で、手をぶんぶんと横に振っています。
やめておけというジェスチャーのようです(死)。
「初等部の生徒が?へぇ、可哀相だなぁ、まだ人生長いのに…。」
「ちょっと待ったぁぁああっっ!!お前、とどめ刺そうとしてるだろっっ!!??とどめ刺そうとしてるだろっっっ!!!???」
大石先生の問題発言に、永倉先生は大声で突っ込みを入れます。
しかし、大石先生は喉で笑って、
「2回も言わなくても聞こえてますよ。永倉先生、実は頭が悪かったんですねぇ。」
「お前にだけは言われたくねぇよ!」
永倉先生は激怒して叫びました。