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□21世紀の高校生in源平時代!
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 俺の父親は無表情、無口。
 怒ったら、かなり恐い。
 けれど、『高校生、線路に落ちた幼児を救う!』系のニュースを見て、号泣する変な人。
 母親は、典型的な肝っ玉母さん。
 俺が悪戯をすると、容赦なく右ストレートを繰り出す。
 父さんよりも恐い。
 弟は、一見真面目な好青年。
 けれど、正義感が人一倍強く、それを人にも押し付ける。
 俺が、弟の物差しから少しでも外れたことをすると、

 『兄さん。そこに座ってください。』

 と言う。
 もちろん座れと言うのは、正座で、それから3時間に渡る説教が待っている。
 俺の幼なじみは、一見普通の女の子。
 けれど、かなりのお笑い好きで、隙あらば、どう受け答えしたら面白いかを考えている。
 この間、油断して、

 『望美。英語の宿題、終わったか?』

 『えー、五問終わったよ。』

 と言われた。
 しかも、中年好き…。
 俺は普通の高校生。
 しかし、この間幼なじみの望美に、

 『将臣くんってさぁ、つっこみだよね。』

 と言われた。

 心外だ!

 『ねぇ、一緒に漫才やろうよ!夫婦漫才!』

 阿呆か!

 言うより早く、弟の譲に、

 『兄さん!』

 言われざまにラリアートを頂戴した。

 『何すんだ!』

 『先輩と、夫婦になる!?俺は許さないからな!』

 『お前、何聞いてんだ!』

 『先輩と夫婦になるなら、俺を倒してからだ!さぁ、来い!』

 阿呆か!

 『2人とも、喧嘩をしたら、いけんから!』

 望美は言った。
 言わせてもらうが、俺は普通の高校生だ。
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