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□犯人は…?
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 「九郎。」

 「ん?どうした泰衡殿?」

 九郎さんは、高館にて金と戯れて遊んでいました。
 すると、様子を見に来ていた泰衡さんが、背後から近寄っていきなり言いました。

 「金は?」

 「あぁ、ここに…。」

 九郎さんはずいっと金を抱き上げ、泰衡さんの前に差し出しました。
 すると、どうしたことでしょう?
 金は泰衡さんを見るなり、怯え始めたのです。

 「どうしたんだ?金。」

 驚いて九郎さんは金を見ます。

 「いたか…。」

 言うなり、泰衡さんは刀を抜き放ちました。

 「どうしたんだ、泰衡殿!?」

 驚いて上ずった声を上げる九郎さん。

 「金を犬鍋にしようと思ってな。」

 「何ぃぃっっ!?」

 九郎さん大絶叫!

 「な、何故だ!金が何をしたと言うのだ!?」

 九郎さんの言葉に、泰衡さんは後ろを振り返り、

 「銀。」

 「はい。」

 背後に控えていた銀が、金を九郎さんから無理矢理引き離そうとしました。

 「やめろ!」

 「九郎さま、お許しを。」

 金は九郎さんにしがみつき、必死の抵抗をします。

 「泰衡殿!何故だ!?理由を言え!」

 九郎さんは、銀から金を必死に守りながら言いました。

 「いや、神子殿がな。」

 「望美?」

 九郎さんは聞き返しました。

 「神子殿が、自分の世界の異国に犬鍋があると言ってな。」

 望美かぁぁっっ!
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