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□大石 鍬次郎の一日
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 辰巳さんが花柳館に顔を出すと、大石さんが来ていました。

 「大石、来てたのかよ?毎回毎回、一体何しに来てるんだ?」

 物凄い冷たい顔で辰巳さんは言いました。

 「別に。用がないと来たら駄目なわけ?」

 全然気にならない大石さん。

 「いや?ただ、お前は来るな。空気が汚れる。」

 きっぱり言い放った辰巳さん。

 さすが、大石!
 嫌われ過ぎ!(死)

 「クク、ひどいなぁ〜。
 え?まぁ、それはそうだけどさ。」

 突然、あらぬ方向を見て会話を始めた大石さん。
 それを見た辰巳さんが震え上がります。

 「いや、待て!どこ見て誰と話してるんだ!」

 「は?辰巳さんが背負ってる人だけど?随分、恨まれてるねぇ、あんた。一体何したわけ?」

 意味不明(死)。

 「背負ってるってなんだ!?背負ってるって!」

 「いやぁ〜、たくさん背負ってるねぇ。まぁ、俺には敵わないけど。」

 「俺の質問に答えろっ!!」

 「さすが、人斬り…、」

 大石さんが最後まで言い終わらぬ内に、

 「ぅぅうわぁぁぁぁっっ!!!!ちょっ!おまっ!なんで知ってんだっっ!!??」

 辰巳さんが素っ頓狂な声を上げます。

 「あんたが背負ってる人が言ってるけど?
 あぁ、そうなの?ふ〜ん。」

 「だから、背負ってるってなんだよっ!?そして、どこ見て、誰と話してるんだっつーのっ!」

 辰巳さんの悲痛な叫びに、大石さんは喉で笑い、

 「クク、わかってるくせに。」

 「わかんねぇよっ!」

 大石さんとまともに会話をしようとするのは無謀ですよ、辰巳さん(死)。
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