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□snow drop 第九話
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あの軍議の日から3日。
その日は意外と早く来た。
眠れない…。
私は布団の中で寝返りを繰り返す。
元の世界と違って電気がないので、起き出して何かするわけにもいかず、寝返りを繰り返しては、何もない前方を睨む。
弁慶さんの言葉は、言われてすぐには気付かなかったけれど、あれはきっと私の作戦に乗ってくれるという意味だと解釈した。
それもあって、眠れない日々が続いていた。
弁慶さんが味方になってくれれば、心強いけれど、前日に知らせるって、結構辛いなぁ。
もうどれくらいの時間がたっただろう。
吹きすさぶ風の音が耳に不快感を残す。
吹雪いているのかな?
私は起き出して、外を見ようと廊下に向かった。
襖をそっと引いてみる。
すると、
「うわっ、吃驚した!」
声が上がる。
誰もいないと思っていたので、心臓が跳ね上がる。
見れば、目の前に将臣くんがいた。
「吃驚したのはこっちだよ!寿命縮まった!」
私は小声で抗議する。
あ〜、もう心臓止まるかと思った。
将臣くんは頭をかいて、決まり悪そうに、
「寝てると思ったんだよ。それより行くぞ。」
?
一瞬訳がわからなかったけれど、はっとする。
鎌倉が攻めてくる?
心臓が一瞬、強く脈打つ。
遂に、遂に来た…!
いや、それより…。
「将臣くん、裏切ったんじゃなかったの?」
思わず、空気も読まずに聞いてしまう。
将臣くんはにやりと笑って、
「あれはあの場を収めるための嘘に決まってるだろ。あのまま続けてたら、泰衡に目をつけられてたぜ。全く、付き合い長いのに、わからないのかよ。」
そうだったんだ。
なんだか、嬉しくなって、私も笑って言った。
「迫真の演技だったから、騙されたよ。
ちょっと待ってて。すぐ準備するから。」