Novel_

□†ショコラとミルクティー†
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現在、巷を騒がせている大量殺人鬼、通称「キラ」を追う捜査斑の指揮者「竜崎」は、彼が捜査の為に資産を注ぎ込み建てられた捜査本部のコネクティングルームにいた。そこは、数台のPCと監視カメラにより大画面に写された各部屋の映像があった。
部屋は白を基調とした近代的なデザインで唯一置かれているテーブルとソファも白で統一されている。


「−月くん」
竜崎は、捜査本部内で最年少の少年「夜神 月」に声を掛けた。
月は大学に通いながら同じ捜査本部に所属する父と共に、キラ事件の解決を願い捜査協力をしている。
「どうした? 竜崎。何か事件について閃いた事でもあったのか?」
「いえ、事件とは全く関係はない事を聞きます」
「何だ?話してみろよ」
月は分厚いコピー紙をまとめた事件に関した資料を手に、自分の横でPCの画面と睨めっこしている竜崎にため息混じりにそう言いながら言った。
竜崎は相変わらず椅子の上で両膝を抱えた独特な座り方をしている。
右手の親指の爪をかじりながら竜崎はこう質問した。

「月くん。『恋』と『愛』の違いは何ですか?」
「はっ!?」

突然の質問に月は動揺を隠せないでいる。
竜崎は飽く迄も本気だ。
(恋と愛の違い?突然何を…)
「私『恋』も『愛』も同じだと思っているんです。しかし先程ミサさんに同じ質問をしたところ…」

竜崎が言うには、ドラマの撮影中だった自称、月の彼女である弥 海砂をわざわざ呼び出し月と同じ質問をした。結局答えを聞く前に竜崎の失言により彼女は怒りさっさと戻ってしまった。

「しかも去り際に最低とまで言われてしまいました」

切なそうに親指をしゃぶる竜崎に月は少し間を置き口を開いた。
「……そうだな…例えばこうしよう。『恋』をショコラ、『愛』をミルクティーだとする。竜崎、もし喉を潤すならどちらを取るかい?」
「………」
「そうだミルクティーだな。つまりこうだ…いくら『恋』のショコラを取ったとしても喉を潤す事は出来ない。…ここまで来ればおまえでもわかるだろ?」
「…はい…理屈は解ります。ですが理解出来ません」
「はは…」
「『恋』も『愛』も人が人を求め生殖する…違いますか?」
(成る程。それでミサに怒られたのか)
「ただ…情があるか無いかの違い…それだけの事ですか?」
「………」
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