Novel_
□†傍†
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−−−…どんな時でも…あいつは僕の傍にいた。
決して楽しいと言えない仕事の時間でさえも、あいつは僕の横で指を銜え一緒にいる時間として大切にしていた。
いつ終わるか解らぬこの命を…あいつは恐怖に怯えながら噛み締めようとした……。
普段、生きる心地がしないだろうあいつは、僕こそが『生きている』そのものだと感じ、常に自分の傍らに置こうとした。
−−いつもいつも、あいつが口癖のように僕にかけた言葉…
「I’m in the side for you」
今でもこの言葉を僕の耳元で囁くあいつの声が、香りが、温もりが、存在が……まるで昨日の事のように鮮明に思い出せる。
もう……あいつの影さえ触れる事は出来ないけれど、確かにそれは存在した…。
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