さんくす
只今サソリほのぼの夢↓↓
カチャ
「……」
「……満足か?」
乾いた無機質な音の次に、低く甘いサソリの声が頭上から降ってきた
私は頷く代わりに上を向いて「うん」と呟く
すると小ばかにしたような、呆れた様な声でククッと空気を振るわせる彼。この音が何とも言えず、すき
---なんとなく---
先刻。
私はサソリの部屋に来るなり傀儡に使う道具を広げ胡坐をかいていた彼の正面に腰を下ろした
「おい」
その際乱暴に脇へ退けた傀儡や道具の立てた音に怪訝な顔をし睨んでくる
でもそんなのお構いなしに、両腕を広げるやいなやそれはもう大胆に抱き付いた。抱き付くと云うよりは締め上げるに近かったかもしれない…。サソリが「うっ」と詰まったような音を漏らしたから
ドサッ
と二人で床に崩れる
私が抱きしめた際の衝撃に体勢を崩したサソリが倒れたんだから、当然私が上になっている状態。私の全体重は彼にかかっている
「…」
突然の私の奇怪な行動にサソリは目を見開いて暫し無言。構わない
寧ろ、「どうした」だとか訊いてこない彼の思想が好きだった
ぎゅうっと力を籠めればまるで木製の人形を抱いているよう。カチャカチャと鳴る。まあ、実際はその通りなんだけど
腕の力はその侭に、丁度彼の胸に位置している顔をすりすり擦り付ける。頬と擦れる布地が少々痛い
すぅっと肺に空気を溜めればサソリの香りが鼻腔を満たす
サソリには、他のヒトにあるソレが無い
ドクドク云う心音だとか、
浅く上下する胸だとか。
でも、ちゃんとアイデンティティを持ってる。変なの
だから、嗚呼コレはサソリなんだと、安心するし納得するし追尋する
幾許かそうしていたら冒頭での声が降ってきた
「変な奴。意味がわからねぇ」
サソリは当分動けない事を悟ったのか、諦め口調で手を組みソレを後頭部に敷いた
「ごめんね」
「なにが」
「この体勢」
傍から見たらこの体制は、どう見ても私がサソリを襲っている状況。いろんな意味でヤバイ
「別に」
「…そう」
「…オレに抱き付いたって、なにもないぞ」
「え?」
「体温も無い。硬い。痛い」
その発言にこうべを上げる
「それがすきなの」
「……」
言った後サソリはちらと困った様な淡い笑みを見せて、私より一回り大きな手を私の後頭部に置きその侭自身の胸に押し付けた。不意だったから鼻が見事にぶつかって痛かった
「お前はあったかいなー」
「…わかるの?」
「ああ、何となく」
少し愉しそうなサソリの声色
私もそれがあったかかった
「サソリもあったかいよ」
「わかるのか?」
「うん…なんとなく」
拍手ありがとうございました!!
へぼい拍手夢ですみません!!
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