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□16.続・閑話休題
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***

「きみが私の寵姫となること、城のみなには後付けに知らせることとなってしまうが──まあいいだろう。『シドは初めからそのつもりだった』とでも言っておくよ」

だからつまり、とアルトアは重ねて言った。

「きみが寵姫であるふりをすること──これは私ときみ、カームとイベルトの四人だけの秘密だ」

「はい。──って、え?」

い、イベルト?
何で彼の名前が出て来るの?

驚くリオネをよそに、アルトアは天井に向かって声を上げた。

「分かったかー、イベルト。そろそろ出て来い」

直後にぱたん、と背後で扉の開く音がして、リオネはびくりと振り返った。

戸口に立っていたのはまさに、イベルト本人だ。

な、なんで居るの!?

「……わざわざ呼ばなくともいいだろう。面倒なことをさせるな」

仏頂面で憎まれ口を叩く彼に構わず、アルトアはリオネに説明する。

「彼は私を監視する役目を負っていてね。魔法だか何だか知らんが、私の所行は全て彼に筒抜けなんだ」


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