main story
□7.永遠のひと
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今では伝説の生き物とされているけど……遥か昔、人間に迫害されて姿を消すまで人魚は確かに存在したんだよ。
彼らはいくつかの群れを作って集団で暮らし、温かい海流に乗って世界中を旅していた。
成熟した人魚の皮膚は寒さに弱いから、年中一つの場所には住めなかったんだ。
君たちが知っている不老長寿の伝説は当時からあって、人魚達は乱獲されて数を減らしていた。
また特異な歌声で多くの船を沈め、人々を溺死させた為に駆除の対象となっていたんだ。
だから僕が幼い頃、人魚は既に希少な種族だった。
さてと……前置きはこのぐらいにして、僕たちの話をしよう。
リオネ、君に聞いて、そして知ってほしい。
歴史から消えた、人魚達の存在を。
7.永遠のひと
物心ついた時には既に、僕は一人の老人と共に旅をしていた。
……本当にそうだったのか当時は分からなかったけれど、僕は彼のことを祖父だと思っていたし、「おじいちゃん」と呼び慕っていたんだ。
今の僕と同じに、彼は吟遊詩人として若い頃から各地を巡っていたらしく、その楽器はとても珍しいものだった。
コルファーレン……『愛しい人』という名をつけられて、この世のものとは思えない程美しい音色をいつでも奏でたんだ。
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