main story

□8.幕間劇
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***


「リオネ、次はちゃんと遊ぼうね」

城の廊下を歩きながら、コルトは私にそう笑いかけてきた。
先程泣いたせいでその瞳は少し赤く、顔には疲れが浮かんでいる。

「そうだね……」

私も笑みを返し、前を行くルークの背中をちらりと見た。

イベルトの部屋を出てからというもの、ルークは終始無言だ。
私達の会話にも全く反応しない。

「リオネ?」

私の視線に気付き、心配そうな顔を向けてきたコルト。

──分かってる、大丈夫。

私は力無く微笑んで、無言のまま頷き返した。

カームの話は黙っておこう……私とコルトは暗黙の内に合意した。
第三者である私達が軽々しく口にしていい話ではないし、そんなことはカームもきっと望まない。

何だかちょっとだけ罪悪感があるけど……。

相変わらず不機嫌そうなルークを一瞥し、私は深いため息をついた。




コルトの部屋近くまで来ると、私達に気付いた近衛兵が迎えにきた。

「お帰りなさいませ、殿下。国王陛下がお呼びです。昼食後、執務室まで来るようにと」

途端、あからさまに嫌そうな顔をするコルト。

「父上が?何の用で?」

「それは存じ上げません」

近衛兵は無愛想に首を振った。

「きっと仲直りがしたいんじゃない?大丈夫だよコルト、行ってきなよ」

私はそう言ってコルトの背中を押す。

「父上が?まさかぁ……」

少しだけ渋ったものの、コルトはやがて覚悟を決めたのか頷いた。

「……分かった。行くよ」



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