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□14.愛着
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「そうして下さいね?

愚者や意地の悪い人達が
きみ達の幸せを妬んだり
そねんだりするでしょうが

きみ達は出来るだけ高きにあって
常に寛容であって下さいね


そうして下さいね?
希望が微笑しながら示してくれる道を
きみ達は楽しくゆっくりと
つつましやかに行って下さいね


世間がきみ達に辛かろうと
優しかろうと
それがきみ達にとって何でしょう

一番強い、一番美しい
きみ達は絆に結ばれている上に
金剛の意志を抱いているのですから

きみ達の行く末に、運命がきみ達のために
何を用意しているのかなぞ考えず
どうぞ歩調を合わせて歩いて下さい

手に手をとって結び付く
人だけが持つ強い心で

あぁ、どうか、そうして下さいね?」





14.愛着



ユリアに連れられて広間に入った瞬間、カームの歌声が私たちを迎えた。

全身が総毛立ち、微動だに出来ない。
──微かな雑音を立てることも、許されないから。



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