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□0.王国の記憶
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辛くも勝利したものの、アスリトニア軍営の被害は甚大。国王が暗殺されたのです。
停戦の譲歩を引き出すべく、ボルトア宰相との交渉を終えた直後の死でした。

また戦没者達の埋葬が間に合わず蔓延した疫病に国王の息子たちは次々に倒れ、父の後を追う様にして病死しました。

残されたのは国王の末子、アルトア。
彼は十五という若さで残った兵を率い、そして勝利を手にしたのです。

降伏したボルトア王国はアスリトニア国王を暗殺した罪で宰相を処刑し、彼の一族は辺境の地へと追放されました。

戦後アスリトニアとボルトアは不可侵条約を結び、両国に平穏が戻ったと誰もが喜んだのです。

……しかし、それから十八年後の今。

かつてアスリトニア国王暗殺の罪により処刑された宰相の孫、ジル・ド・ラバールがボルトア王国の平穏を覆そうとしていました。


穏やかな日々に忍び寄る戦渦。
それは一人の少女を巻き込んで、人々の運命を大きく変えたのです。


prologue fin.
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