main story

□16.続・閑話休題
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「……アルトア、リオネを寵姫にするつもりはないと言ったこと、忘れたのか」

イベルトが鋭くアルトアを睨み付けたが、本人は肩をすくめて苦笑した。

「だから、寵姫のふりをしてもらうんだ。本当に手を出すつもりは……無いよ。たぶんね。
──ああリオネ、この話は私とイベルトの問題だから、気にするな」

混乱しているリオネに朗らかに声をかけ、アルトアは「さて」と話を切り替えた。

「役者が一人足りないが、まあいいだろう。イベルト、ボルトア国内に『扉』を繋げているな?カームをそこから送ってやってくれ」

「……いや、だめだ。あちら側にある扉が壊されてしまった様だ。急に繋がらなくなった。
陸路を行って、入国するしかない」

その言葉にアルトアは「参ったな」と呟いた。

「出来るだけ早くシド達の補助に行ってもらいたかったんだが……仕方ない、一番近い『扉』はどこだ?」

「ユースタスの手前だな。恐らく三日もあればボルトア国内に行ける」

その場にリオネを放置したまま、二人は素早く策を練っていく。
リオネはただ話を聞いているほか無かった。

「そうか。それまでにシドから連絡が来るかも知れん、出発を少し延ばした方がいいな」

そこまで言って、ようやくアルトアはリオネに笑みを向けた。

「リオネ、シド達はきっと無事でいるさ。カームの出発は彼らから連絡が来てからだ」



fin.
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